「被災地の活動と合わせて、神戸で何ができるのか。継続的な支援のあり方を考えていきたい」

 「神戸大学持続的災害支援プロジェクトKonti(コンティー)」代表で神戸大工学部4年の稲葉滉星さん(22)は、被災地に学生ボランティアを送り出し、その報告会を神戸で開催する活動を続けている。

 愛知県で生まれ育ち、学校でも阪神大震災について学ぶ機会はほとんどなかった。大学進学を機に神戸での生活が始まると、行政や民間団体を問わず、震災や防災に関するボランティア活動が活発なことに驚き、「テレビや新聞で見た東日本大震災の被災地のことが頭に浮かんだ」。

 1年の夏、東日本大震災の被災地を支援する学生ボランティア団体「神戸大学東北ボランティアバスプロジェクト」に参加。ボランティアとして岩手県陸前高田市の仮設住宅を訪れ、その後も被災地に学生を送り出す活動を続けた。

 同プロジェクトの代表に就いて1年近くが経過した昨年4月、熊本地震が発生した。「被災した実家が心配だが、何をしたらいいか分からない」。被害を受けた熊本県西原村出身の女子学生から相談を受けた。すぐに熊本のNPOを通じて現地に水を送ったが、被災状況をすぐに把握できなかった。

 不安そうな女子学生の表情に、「被災した故郷と、離れて暮らす学生とを結ぶ仕組みを作り、継続的な支援をしていきたい」と思い立った。昨年5月、熊本など被災地出身の学生で、コンティーを設立。以前から交流があり、熊本で支援活動を展開していた「被災地NGO恊働センター」の協力を得て、現地に足を運び、倒壊した家屋の片付けなどをした。

 被災地で活動するだけではなく、被災地の様子を学生に伝えることも重要だと考える。「神戸で生活する学生が、震災について考えるきっかけを作りたかった」からだ。昨年5月には、地元でボランティア活動に当たった女子学生らの報告会を開いた。

 どこかで災害が起きたとき、神戸ならではの迅速で確実な支援があるはずだと考える−。4年間の神戸での学生生活で、すぐに被災地出身の学生らと一緒に、被災地を支援できるような仕組みを整えたいという結論にたどり着いた。「神戸で蓄積された災害支援のノウハウを多くの学生に伝え、復興支援の裾野をひろげていきたい」と意気込んでいる。(猿渡友希)

 【神戸大学持続的災害支援プロジェクトKonti】

 平成28年5月に神戸大学学生ボランティア団体「神戸大学東北ボランティアバスプロジェクト」から派生して発足した、同大学生ボランティア団体。名称は、Continue(継続)とContiguity(寄り添い)を合わせた造語で、頭文字の「K」は神戸と熊本から取った。学生約10人が所属している。