リオデジャネイロ五輪では16歳の池江璃花子(ルネサンス亀戸)が日本勢史上最多の競泳7種目に出場したが、リオ・パラリンピックでも7種目を泳いだ「スーパー女子高生」がいる。大会中に18歳となった池愛里(東京成徳大高)は身長178センチの大型スイマー。「すべてを出し切って、東京パラリンピックにつなげたい」と臨んだ初の大舞台で貴重な経験を積んだ。(奥村信哉)

 今大会の競泳女子代表で最年少の池は9月8日から100メートル平泳ぎ(運動機能障害SB9)、50メートル自由形(運動機能障害S10)、100メートル背泳ぎ(同)と3日間連続で予選に臨んだ。1日空いて迎えた12日は18歳の誕生日で、100メートルバタフライ(同)で1分13秒81の自己ベストをマーク。レース後のインタビューでは「誕生日に憧れの舞台に立ってレースができるのは幸せ。みなさんの応援のおかげでこの場所で泳げることに感謝したい」と笑顔をみせた。

 13日の100メートル自由形(同)を含め、個人5種目ではいずれも決勝進出を果たせなかった。それでも大会終盤のリレー2種目まで気持ちを切らさず、400メートルリレーで4分48秒27、400メートルメドレーリレーでは5分21秒68の日本記録樹立に貢献した。ともに第1泳者として、個人種目を上回るタイムをたたき出す意地をみせた。

 ミニバスケットボールに夢中だった9歳のとき、がんの一種である滑膜肉腫を患い、摘出後の後遺症として左脚にまひが残った。リハビリで始めた水泳は「1番苦手」だったスポーツ。だが「やっていくとタイムが伸び、長い距離も泳げるようになった」。長い手足を生かしたフォームですぐに頭角を現し、中学時代にはアジア記録を次々と塗り替えた。

 「同じ“池”ですからね」と注目していた池江にも刺激を受けた。リオ五輪後に出場した全国高校総体での活躍に「素直にすごいなと。相当ハードなはずなのに、リオよりいいタイムで泳ぐなんて」。個人種目で決勝に残るという目標をリオでは果たせなかったが、伸びしろは十分。4年後の東京大会へ「どの種目でも勝負できる選手になりたい」と雪辱を誓う。

 リオ・パラリンピックで競泳陣が獲得したメダルは銀2、銅5の7個。銀2、銅2を獲得した26歳の木村敬一(東京ガス)の活躍が際立つ中、池ら10代選手も存在感を示した。

 男子では17歳の中島啓智(千葉・中山学園高)が200メートル個人メドレー(知的障害)で銅メダルを獲得。女子では19歳の一ノ瀬メイ(近大)が池を上回る8種目を泳ぎ、同じく19歳の森下友紀(昭和女大)も7種目に出場した。

 女子では今大会の出場を逃したものの、高校生だった2014年アジア・パラ大会の400メートル自由形(運動機能障害S8)で銅メダルを獲得。アジアパラリンピック委員会から女子ベストユースアスリート賞を日本勢で初受賞した19歳の鎌田美希(立大)もおり、20年東京大会での活躍が期待される。