小兵の業師が新春の土俵を熱くさせている。東京・両国国技館で開催中の大相撲初場所で、東十両3枚目の宇良が幕内経験者らを相手に粘り強い相撲で初日から5連勝を果たした。大阪・寝屋川市出身で今場所大銀杏(おおいちょう)を結い始めたばかりの24歳はこのまま白星を伸ばし、地元で行われる3月の春場所へ新入幕で凱旋(がいせん)できるか。(藤原翔)

 初場所4日目の11日。驚異的な取り口で白星をもぎ取った。馬力自慢の元幕内豊響に押され、両足は俵にかかったが、弓なりになって突きをこらえる。さらに腹を押されたが、今度はしゃがみこんで耐え反撃に転じ、渡し込んで勝利をつかんだ。

 沸きに沸いた館内からの歓声を浴び「最後まで諦めなかったのがよかった」としつつ、「まだ序盤も序盤なので」と余韻に浸ることはなかった。翌日も元幕内旭秀鵬を寄り切り、無敗を守った。

 この5日間、押し出し、首ひねり、引っかけ、渡し込み、寄り切りと173センチ128キロの技巧派らしく異なる決まり手を並べた。秋場所で左手舟状骨を折った影響で冬巡業は途中離脱。場所前はほとんど「下半身のトレーニングしかできていない」と漏らすが、持ち味の小よく大を制する取り口で結果を残している。

 十両で全勝はただ一人。優勝争いにも期待がかかるが「まだ5日しかたっていない。千秋楽の結果が大事」と本人の心に乱れはない。今場所大きく勝ち越せば、念願の幕内の地位が近付いてくる。