(パ・リーグ、ソフトバンク2−5日本ハム、25回戦、日本ハム15勝9敗1分、22日、ヤフオクD)日本ハム・有原航平投手(24)が22日、ソフトバンク最終戦(ヤフオクドーム)に先発し、6回7安打2失点の好投でチームトップの11勝目(9敗)を挙げた。7月22日のオリックス戦(札幌ドーム)を最後に勝ち星から遠ざかり6連敗と苦しんだ右腕が、頂上決戦で価値ある力投だ。

 無心で腕を振った。頂上決戦第2ラウンド。先発の大役を担った有原が、ひたむきな投球でソフトバンク打線に立ち向かった。

 「ずっと勝っていなかったけれど、とにかくここが一番大事と思って投げました。勝ててうれしい」

 一回、中村晃に一発を浴びたが動じない。腕を強く振ることを意識して直球主体で攻めた。四回、先頭の松田に左翼線二塁打を浴びると「絶対に1点もやらない」と気持ちのスイッチが入った。切れ味が戻ったフォークボールを決め球に長谷川、吉村、江川を3者連続三振。6回2失点と試合を作った。

 一時は弱気になった。7月22日のオリックス戦(札幌ドーム)を最後に勝ち星なく6連敗。前回登板の9月14日の同戦(同)では六回途中8失点と打ち込まれた。しかし、栗山監督の信頼は不動だった。この日の登板前、声をかけられた。「お前の前半戦の活躍のおかげでチームはここまでこられた。もう好き勝手やれ。思い切り投げてこい」。指揮官の言葉に背中を押され、9勝を挙げた前半戦の自信が蘇った。

 仲間も温かかった。前日21日に先発し、9勝目を挙げた2歳下の大谷はこの日朝、顔を合わせると「(バトンを)つなぎましたよ」と話しかけてきた。今季1勝を挙げるごとにすしをごちそうしてくれる先輩の鍵谷は「きょう勝ったらいつもより高いすしをおごるぞ」。普段30貫はペロリという大食漢の右腕は先輩の気遣いに思わず「よろしくお願いします!」。モチベーションも倍増だった。

 「今まで本当に悔しかったが、ここからもっといい投球をしてチームに貢献したい」

 大一番で輝きを取り戻した右腕が、歓喜の大逆転Vへ最終コーナーの鐘を鳴らした。(佐藤春佳)

有原と今季初めてバッテリーを組んだ日本ハム・大野「いろいろと探りながら、今までと違う有原を出そうと思った。本人も自信を持って投げてくれた」