(パ・リーグ、ソフトバンク2−5日本ハム、25回戦、日本ハム15勝9敗1分、22日、ヤフオクD)天王山の戦いに連敗。敗戦の瞬間、ソフトバンク・工藤監督の目が泳いだ。自力優勝の可能性が消えた。分厚かった戦力が大一番で力尽きた。

 「一番痛いのは取った後に取られたところ」

 取って取られて、2−3で迎えた七回だ。一死一塁で投入した五十嵐が代わりばな、中田に右越え2ランを浴びた。疲労が濃い中継ぎ陣。好調の岩崎は前の4試合で3度の複数イニング登板をこなしており、本調子とはいえないベテランに託した。

 「何でもかんでも岩崎くんとはいかない。あしたからも連戦なので」

 裏目に出た。そもそも岩崎もリリーフ不足で先発からまわした存在。苦しい時期とはいえ、圧倒的な層の厚さを誇っていた鷹の現状だ。その七回は野手のシフトにも異変が…。六回に代打で適時打を放った内野手の明石を残すため、4年ぶりに左翼で起用。左翼の中村晃は5年ぶりに中堅の守備に回った。

 「勇気がいる決断だったけど、(その場で)守備コーチにも大丈夫だと言ってもらった」

 ベンチのドタバタぶりが目に見える。執念の采配と呼べば聞こえはいいが、それだけ追いつめられていた。

 野手と同じく層の厚さを誇ってきた先発投手陣も、窮地に陥っている。左肘に張りを抱える和田が、24日の西武戦(西武プリンスD)の先発を回避する。疲労がたまっている左肘の状態が上がらないためで、15勝を挙げている左腕エースの今後の登板は未定。3連覇を目指す工藤監督が重視してきたコンディショニングの維持に、ほころびが出ている。

 「ひとつも負けないつもりで戦うしかない」

 最後まで王者の意地は見せる。ただ、7試合を残す日本ハムにマジック「6」が点灯し、工藤ホークスは崖っぷちに追い込まれた。 (安藤理)