文人画の巨星・浦上玉堂(1745〜1820年)と愛息2人の作品を集めた特別展「文人として生きる—浦上玉堂と春琴・秋琴父子の芸術」(岡山県立美術館、山陽新聞社主催)が23日、玉堂の生地に立つ岡山市北区天神町の同美術館で開幕した。父子3人の自由な精神から生まれた絵画が美術ファンらを魅了している。 一般公開を前に開会式があり、足羽憲治岡山県副知事、松田正己山陽新聞社社長が「父子の作品が一覧できる、かつてない展覧会。3人の芸術世界をご覧いただきたい」などとあいさつ。コレクションから3点を出品している日本美術愛好家で“経営学の父”として知られる故ピーター・ドラッカー氏の次女セシリーさんらを加えた8人でテープカットした。 玉堂は数え年50歳で岡山藩の支藩・鴨方藩を脱藩。東北から九州を巡り、琴詩書画に親しむ自適の生活を送った。画才を受け継いだ長男春琴は京都の人気画家、音楽に優れた次男秋琴は会津藩(福島県)の雅楽方頭取として活躍した。 会場には、初公開を含む約250点(展示替えあり)の作品・資料がずらり。濃墨の線が躍動する玉堂の「秋色半分図」(重要文化財)、隅々まで緻密に描かれた春琴の大作「春秋山水図屏風(びょうぶ)」(米ミネアポリス美術館蔵)、点描がリズミカルな秋琴「山水図」など、来場者はそれぞれの個性が光る水墨表現を堪能していた。 岡山市の女性(55)は「人と自然が調和した玉堂の山水画に対し、春琴の屏風は緻密で明るい。父子で異なる魅力を楽しめました」と話していた。 10月30日まで。9月26日、10月3、11、17、24日休館。開館時間は午前9時〜午後5時(初日と10月28日は午後7時まで)。一般1200円、65歳以上千円、大学生700円、小・中・高生300円。■国吉展も開幕 岡山県立美術館では23日、特別展示「国吉康雄—日本とアメリカ 岡山のコレクションから」(山陽新聞社共催)も始まった。岡山初公開となる「クラウン」など約140点で、米国で活躍した岡山市出身の画家国吉(1889〜1953年)を顕彰する。11月6日まで。「浦上玉堂と春琴・秋琴」展観覧券でも入場できる。