若者の投票率を引き上げるため、大学や商業施設に期日前投票所を設置する動きが全国で広がる中、10月23日投票の岡山県知事選では、岡山、高梁市を除く25市町村の選管が見送る方針を固めていることが、山陽新聞社の取材で分かった。不正防止のためのシステム整備に経費がかかる半面、住民票を移しておらず県内に有権者登録のない学生が多いことなどから、費用対効果を疑問視する声が目立つ。 大学などへの期日前投票所開設は、18歳選挙権導入に伴って総務省が奨励。7月の参院選は全国で大学(短大など含む)98カ所、商業施設162カ所に設けられたが、県内は中四国で唯一の未設置だった。県選管が知事選での開設を各市町村選管に要請。岡山市が10月19日に岡山大(同市北区津島中)構内への設置を決めている。 取材に対し、岡山市以外では、高梁市が地元大学への開設を念頭に「検討中」としたが、他の市町村は「設置予定はない」と回答。投票所新設には、二重投票を防ぐため既存の投票所と結ぶオンラインシステムが必要な上、職員や立会人を増員しなければならないことがネックになっているという。 また管内に大学がある選管から「大学に設置しても、周辺に人家が少ないため学生以外に恩恵が及びにくい」(倉敷市)、「大学が既存の投票所に近く、利便性が担保できている」(津山市)という意見もあった。 商業施設に関しては岡山市が「施設内に十分なスペースを確保することなどが難しい」と課題を挙げた。町村選管を中心に「多くの有権者が集まる商業施設が見当たらない」との声も多かった。 参院選岡山選挙区では18、19歳の投票率が39・53%と、全年代平均の50・86%を11・33ポイント下回った。環太平洋大の林紀行准教授(政治学)は「懸垂幕や広報車巡回といった啓発活動も含めて費用対効果を分析し、投票率向上に何が必要か検証すべきではないか」と指摘する。