東京商工リサーチの資料によれば、2015年における日本全国の企業の倒産件数は8812件だった。一方、中国における企業の倒産件数はわずか1307件とされているが、一部資料によれば、中国で法的に倒産の形を取らずに登記抹消された企業の数は数十万に及んでおり、この件数は年々増加している。

 中国メディアの捜狐財経はこのほど、中国の実体経済の衰退はますます鮮明になっているうえに、多くの企業が倒産に追い込まれていると説明、そしてこうした悲劇は中国製造業自身に問題と責任があるゆえに「身から出たさび」であると指摘している。

 記事は中国製造業の問題点を7つ取り上げており、それは基幹技術をおろそかにしてマーケティングばかりを重視すること、無駄の多い管理部門、企業が従業員を信頼せず従業員も転職が多く忠誠心がないこと、バイヤーの腐敗、知的財産権を重視しないこと、民族主義にこじつけて事業を行うこと、そして製造業界に共通して存在する腐敗だ。

 この腐敗について記事は、例えば自動車製造業の社長が親戚の1人に部品メーカーを経営させ、自分がその部品メーカーの株主になり大儲けするという方式であり、この自動車製造企業はたとえほかにどんなに良い部品メーカーがあってもその企業からは買い付けないと説明。この腐敗の形式は、自動車、電信、石油、工学機械、鉄鋼、鉄道、農業機械、電力、プラスチックなど様々な製造業界で形成されていると指摘した。

 記事が指摘している中国製造業の7つの問題点には1つの共通点がある。それはどの問題も「品質の高い製品を生み出すための環境を損なう」ということだ。企業が知的財産権を重視せず、他社のパクリに頼った経営を続けても、決して品質の高い製品は生まれない。企業と従業員の間に信頼関係がなければ質の良い技術者は育たず、やはり品質の高い製品は生み出せない。また製品の品質の向上に貢献するのは科学技術や創造力といった要素であり、民族主義ではない。

 記事が指摘するところの中国製造業に見られる腐敗も、質の良い製品を作り出す企業の発展を妨げるものになる。中国政府が目標とする匠の精神の育成は、記事が指摘する問題点を概観する限り、決して簡単な道のりではないといえる。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)