サンマと並び、秋を代表する魚とされるサケ。スーパーの鮮魚売り場では見事なピンク色の身をした秋サケが姿を見せている。ムニエル、ちゃんちゃん焼き……とおいしい想像が膨らむが、なぜか刺身や寿司という発想は出てこない。生食されているのは、サケとは別種のアトランティックサーモンなどだからだ。

 中国メディア・青網は23日、「どうして日本人はサーモンを食べなくなっているのに、われわれはまだ食べているのか」とする記事を掲載した。記事全体の内容は、昨今出回っている「養殖サーモンは有害で危険」という論調に乗せられた感がある。「ノルウェーやカナダのサーモンは1年間に4回以上食べない方がいい」、「チリ産は6回食べても大丈夫」、「天然もののほうが汚染が少なく、養殖ものは汚染を受けやすい」といった、にわかには真偽を判断しかねる記述が並んでいる。

 ただ、その中で「正統な日本の店ではサーモンの刺身は提供しない。サケには寄生虫が多く、塩漬けにして焼いて食べるしかないことを、とうの昔から知っているからである」として、現在日本人が食べているサーモンの刺身は国産のサケではなく、ノルウェーなどからやってきたアトランティックサーモンであると説明しているのだ。そして「日本の刺身において、サーモンは決して主要な食材ではないのに、中国人は『シンボル』だと思っている」と指摘している。この指摘は当を得ているものと言える。

 脂の乗ったアトランティックサーモンが有害か否かについての判断は、専門家に委ねるべきである。それはさておき、アトランティックサーモンは今や、欠くべからざる大衆的な寿司ネタとしての地位を確保しているのも事実だ。中国人はともかく、日本の若い世代ももはや「昔は、サーモンの刺身や寿司などほとんどなかった」という事実を知らないのではないかと思うほどである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)