尖閣諸島を巡る問題、南シナ海に関する対立など、今の日本と中国の間には一歩間違えば軍事衝突を起こしかねない「火種」が散乱している。中国のネット上では、日中両国が戦争に突入することを想定、あるいは妄想した文章が次から次へと発表されている状態だ。その内容を信じる人がどれだけいるかは分からないが、中国国内の一部に「日本と戦いたがっている」輩がいることは間違いなさそうだ。

 中国メディア・南方週末は22日、「今の日本人は超(スーパー)サイヤ人か、はたまた戦闘力5のゴミか」と題した評論文章を掲載した。マンガ「ドラゴンボール」に登場する言葉がタイトルに使われているところから、中国での同作品の認知ぶりを窺い知ることができよう。しかしそれは、この文章の本筋ではない。

 文章は、近年における日中間の緊張状態を見て、多くの人は「将来、日中は必ずや一戦交えるだろう」と思っていると説明。そのうえで、第2次世界大戦の敗戦から70年を迎えた今の日本、大和民族にはいったいどれほどの戦闘力が備わっているのだろうか、と問題提起した。

 その答えについて文章は、人口構造の変化というアプローチから考察している。明治維新後に長寿化と児童死亡率の抑制に成功した日本は英国のような人口の大爆発を経験し、3300万人から第2次大戦前には7000万人まで人口が増加、青年・壮年の人口比率も急上昇したと説明。これに伴う資源の枯渇を危惧した日本はかつての英国、同時期のドイツ同様に領土拡張に活路を見出し、大規模な軍隊と移民組織を作ったと解説した。

 さらに、程なく日本は泥沼の戦争に敗れたが、ドイツに比べれば生産年齢人口の損失は少なく、戦後の奇跡的な復活を支える大量の労働力を確保したとする一方、20世紀末には陰りが見えはじめ、今では高齢化と少子化という人口構造の悪化による深刻な衰退状況にあると論じている。

 そのうえで文章は、今の日本の人口構造は「国の拡張性に対して致命的な影響を持っている」としたほか、日本社会の職業軍人に対する態度も第2次大戦時とは大きく異なると解説。自衛隊はかつての日本軍のような民間動員力を持っていないうえ、若者も自衛隊に入る情熱がほとんどないとし、「軍備で優位性を持っている部分はあれど、人口や兵力はもはや昔に遠く及ばないのだ」と結論づけた。

 いささかキャッチーなタイトルに対する答えを、文章は明確に示してはいないが、おそらく今の日本は「戦闘力5のゴミ」寄りだと言いたいのだろう。それでは、今の中国は「超サイヤ人」なのか、はたまた別のものなのか。こちらもぜひ「ドラゴンボール」でおなじみの言葉で解説してもらいたいものである。(編集担当:今関忠馬)