秋を代表する果物と言えば、柿である。中国でも柿はポピュラーな果実だが、昨今ではせっかく実がなったのに収穫しないで放置する農家もいるのだという。中国メディア・農村網は24日、「日本の農作物はどうして様々に姿を変えることができるのか」とする記事を掲載、柿を例に日本の農業における高付加価値製品の開発ぶりについて紹介している。

 記事は、中国では柿は安値で取引されるため農家が収穫せずに放置する、保存期間が短いために生産地周辺でしか消費できない、などといった問題があると指摘。また、個人的に干し柿を作る以外に柿の加工品も開発されていない状態であると伝えた。

 一方日本では、干し柿はもちろんのこと、ジュースやチップス、ゼリー、柿酢などといった加工食品以外にも、柿渋による染物、染髪製品、化粧品、殺菌・消毒・防臭製品、さらには工芸品や美術品の分野にまで柿が利用されていると説明した。

 また、中国では香味野菜として調理に用いられる程度である生姜についても、日本では飲食業が生姜料理コースを開発したり、健康食品業界がダイエット食品として活用したり、日用品業界でも生姜成分を配合した育毛剤やケア用品を製造したりと、多種多様な製品やサービスを開発していると紹介した。

 そして、「日本における生姜製品の開発、生姜文化の促進といった経験に学び、これを導入して、国内で生姜製品ブランドを樹立できれば、国内市場のみならず国際市場への進出も可能となり、生姜産業の大きな基盤を作ることができるのだ」と論じている。

 より付加価値の高い製品やサービスを生み出すことが、中国の全ての産業における課題となっている。農業で言えば、一般食品としての農作物のほかにも、伝統医薬に用いられる原料生薬の生産についても同じ問題を抱えている。加工技術が未熟なために付加価値がほとんどないまま原料を輸出し、その原料が日本をはじめとする外国で付加価値の高い加工製品に姿を変え、中国国内に戻って来て高い値段で販売されるという、実に「残念」な状況なのである。この状況を打破するにはやはり、柔軟な発想力と、それを形にできる技術力が必要だ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)