日本経済新聞は9月22日、日本の経済界訪中団が日本企業の中国からの撤退手続きを迅速に行えるように中国当局に改善を求めたと報じた。同報道は中国で大きな波紋を呼び、一部では「日本企業の大規模な撤退が始まるのではないか」と懸念の声も存在する。

 中国では日本製品を排斥すべきという声が存在するのも事実だが、中国メディアの中億財経網は7日、日本企業の撤退は中国人にとって「喜ばしいことか、それとも懸念すべきことか」を考察する記事を掲載した。

 記事は、日本と中国の間には領土をめぐる対立や歴史問題が存在するため、中国の民間では日本企業に対する反発と日本製品に対して排斥の意向が根強く存在すると主張。だが、こうした民間の意向は中国の政治家および経済界にとっては望ましいものではなく、中国製造業がコスト優位という強みを失うなか、競争力としては日本の製造業とは圧倒的な差があるのが現実であり、日本企業の撤退は中国にとって喜ばしいことではないと論じた。

 さらに、日本は中国建国以降に大きな援助と支援を提供してくれた国であり、日本の援助が人材育成やインフラ整備など、中国経済の発展の基礎となったと主張。また、日本と中国には多くの問題が存在するとしながらも、日本は欧米諸国のように中国の人権問題や民主主義、政治体制を槍玉に挙げるようなことはしないと指摘し、日本は中国にとって付き合いやすい国との見方を示した。

 一方で記事は、日本企業が中国から一斉に撤退すれば、日本人の対中感情が悪化するなかで「中国への対応を加速しやすくなる」と主張、憲法改正や米国との中国包囲網の構築が加速するおそれがあると伝え、政治面から見ても日本企業の撤退は中国にとって喜ばしいことではないと論じている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)