日本企業が大規模な中国撤退を行う・・・9月の終わりから、中国のネットやメディアで、突然そんな情報が湧き出し、議論を呼んでいる。事の発端は、日本の経済界代表者からなる訪中団が先月訪中した際、中国側に対して「日本企業の撤退手続きの迅速化」を要求したという報道だった。

 中国メディア・今日頭条は9日、「日本企業は本当に中国から急いで撤退するのか」とする記事を掲載した。そのなかで、このたび中国のネット上を騒がせた「日本企業の大規模撤退説」は「キャッチーなタイトルを付けたがる日本の記者と、日本語も分からずに報道の一部だけ切り取って伝える中国人の共演によるドタバタ劇」であると解説している。

 そのうえで、騒動の発端となった「日本企業の撤退手続きの迅速化」の報道について、「そもそも日本企業の撤退問題ではなく、日中間の投資や貿易をいかに促進するかの提案を伝えるものだった」と説明。「儲けが出ても撤退手続きが煩雑だとすれば、中国への投資意欲に影響するのは当然だろう」と論じている。また、一部の日本企業に撤退の動きが見られるのは、「国内外の経済状況の変化に伴う戦略的な調整であり、中国市場に対する自信を失ったわけではない」と解説し、主に撤退が進む分野は、紡績など「ローエンド、または、労働集約型の産業」であるとした。

 記事はさらに、ハイエンド産業の核心的な技術を掌握できず、人材育成も進まない状況において「本当に日本企業が大規模な撤退をしてしまったら、われわれの改革や革新のスピードが、彼らの撤退のスピードに追いつけるのか」とし、日本企業撤退という「噂」で喜ぶ論調に対して疑問を投げかけた。

 中国のネット上では、情報にさまざまな尾ひれがついたり、ニュアンスや意味が変化して拡散することが日常茶飯事。今回の件も、その典型的な例だ。不確かな情報があっという間に広がり、騒動に発展するという、中国のネット社会の危うさ、未成熟さが改めて露呈したと言えるだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)