外務省によれば、安倍晋三首相は9月5日に行われた日中首脳会談において、中国の習近平国家主席に対し、「日本を含む国際社会共通の関心事項である南シナ海問題に関し、中国の適切な行動を期待する」と伝え、国際法のルールを守り、周辺国等の不安解消に努めるよう求めた。

 しかし、中国メディアの観察者は12日、南シナ海問題において国際法の遵守を中国に要求した日本の主張には、南シナ海における地域秩序を守るという「建て前」を超えた意図が含まれていると論じる記事を掲載した。

 南シナ海における国際法の遵守を中国に要求した日本の真の意図について、記事は「民主主義や法の支配という価値観を利用して、アジアを支配することにある」と主張。中国や韓国が過去の歴史問題で日本に対して強い不満を抱くなか、東南アジア諸国は日本について第2次世界対戦の侵略国とはみなしておらず、むしろ学ぶべき国として尊敬していると紹介。東南アジアの人びとも日本に対して親近感を抱いているのが現状であることを伝えた。

 一方で記事は、中国経済が大きな発展を遂げ、東南アジアに対する影響力が拡大を続けるなか、日本は南シナ海問題に介入することで中国の影響力を削ぎ、自国の東南アジア諸国への影響力を拡大する狙いがあると主張。日本は民主主義や法による統治という価値観を「建て前」に、東南アジア諸国の支配を狙っていると批判した。

 国際社会には国際ルールを守ることは「正しい」という道徳概念が存在する。しかし、中国は往々にして「国際ルールは西側諸国が勝手に決めたもの」と言わんばかりの対応を見せる。オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が南シナ海の領有権に関して中国敗訴の判定を下しても、中国が従おうとしないのは「勝手に決められたルール」を守るのは一つの手段だと強く認識しているからではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)