中国経済の成長率が低下し、これまで見えなかった多くの問題が顕在化するなか、中国国内では日本経済の実力を見直すべきといった報道が増えている。

 中国メディアの新浪はこのほど、多くの中国人にとって日本といえば「没落しつつある先進国」、「経済成長が止まった国」といったイメージがあるとしながらも、日本と中国の差を理解すると「中国人は沈黙せざるを得ない」と論じる記事を掲載した。

 記事は、日本が決して「没落しつつある先進国」ではない証拠として、トムソン・ロイターの「Top 100 グローバル・イノベーター 2015」に選出された日本企業は世界最多の40社に達したことを指摘。

 さらに英誌エコノミストが選出した15年のイノベーションの質に関する報告書では日本は世界3位だったことを伝え、「こうした調査や報告から分かるのは、日本のイノベーション力が大きく向上していることだ」とし、日本の大手企業はかつての家電産業から人工知能やバイオテクノロジー、ロボットなど新しい分野に参入し、そして同分野をリードするようになっていると論じた。

 そのほかにも記事は、日本の科学技術力が中国を圧倒的に上回る現状をさまざまなデータを用いて紹介したうえで、「日本の国内総生産(GDP)の増加が停滞しているのは、日本企業が工場をはじめ、資本や技術を国外に移転させているため」だと指摘し、中国のGDPには日本企業が創造した付加価値が含まれているが、日本のGDPには含まれないと伝え、日本は決して「没落しつつある先進国」、「経済成長が止まった国」ではないと論じた。

 中国で日本経済の真の力を見直すべきといった論調の記事が増えているのは、中国経済がこれまでの成長モデルからの転換を迫られていることと無関係ではないだろう。人件費が上昇するなか、中国は製造業の高度化を目指しているが、研究開発能力やイノベーション能力は一朝一夕で身につくものではない。

 中国が経済モデルの転換を目標に据えたことで、日本との「差」も明確に把握できたに違いない。だからこそ、これまで「没落しつつある先進国」、「経済成長が止まった国」といったイメージを抱いてきた日本が実は中国とはまったく異なる質の経済構造を持ち、中国経済との実力差も大きいことを強調するようになったのだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)