2016年に広がった新しいテクノロジーの代表的な存在といえば「VR(仮想現実)」である。

9月に開催された東京ゲームショウ2016でも、10月7日まで行われているCEATEC JAPAN 2016でも、VR関連技術は注目の的だ。また10月13日には「PlayStation 4」と接続する「PlayStation VR」の発売も控えている。

また、最近では高額な機器を買わずとも、スマートフォンなどを使って手軽にVR体験ができるようになっているほか、10月7日には、南越谷のイオンレイクタウンに、日本最大級の常設型の「VRアミューズメント」店舗、「VR CENTER」がオープンする。

「VR CENTER」では、映画館で利用されている「MX4D」を利用した「レイクタウンVR〜落下体験〜」や、シューティングゲーム「BLAST x BLAST」、ジェットコースター「Urban Coaster」など7つの体験型VR/ARアトラクションを楽しむことができる。

10月3日に行われた「VR CENTER」開設の記者発表では、コロコロチキチキペッパーズとガチャピンが登場し、それぞれVRのアトラクションを体験した。

事前に数アトラクションを体験したという西野さんは、「『落下体験』はリアルに風が来るんですよ。本物のジェットコースターの浮く感じを体験できるので怖かったです」と言えば、ナダルさんは「怖かったですよ!でも『落下体験』のいいところは目を閉じれば怖くなくなるので」と笑いを誘っていた。

■VRは「新たな表現」を生みだす契機となるのか?

「リアルにほぼ近い体験ができる」というのがVRの一つの強みだが、それだけではない。私たちがこれまで見たこともない世界を体験できたり、自分が決してなれることのできないものになれるのも、仮想現実の特徴だ。

「将来、どんなVRがあったらいいなと思うか」という質問に対して、西野さんは「自分が蚊になって、人が部屋に入ってきたら血を吸いに行くというようなアトラクションとか」と答えた。

また、ナダルさんは「自分ができないことがリアルにできるようになるので、好きな『スパイダーマン』になりきって、ビルとビルの間をびよーんって。あとは旅行とかも行った気持ちになれる気がします」とコメント。

記者もアトラクションを体験してみたが、視覚だけでなく、聴覚や感覚にも刺激を与えてくるため、確かに現実に近い感覚を味わうことができた。

コロコロチキチキペッパーズの2人が、自分が体験してみたいアトラクションを語ったように、今後さまざまな分野でVRと掛け合わせたサービスが誕生するだろう。

では、例えば「本」においてVRの活用は可能だろうか。

ゴーグルの中をのぞくと、そこには本が置かれていて、手に持ったボタンを押すとページをめくることができる。耳に装着したヘッドホンからは、その本の朗読(もしくはラジオドラマ)が流れてくる。バイノーラル録音との親和性も高そうだ。

また、ページを開いた瞬間に本の挿絵がVR空間に飛び出して、ちょっとした小話を展開してくれるというのもいい。

本とオーディオブック、そして動画を掛けわせた表現がそのVR空間の中で出来てしまうということも考えられるわけだ。それは「本」ではなくて、「別の新たな表現」になるのかもしれない。

これは一つの空想に過ぎず、思わぬ方向にVRと本の絡み合いが生まれ、進化していく可能性もある。ただ、こうした新たなテクノロジーに対して出版業界が入り込める部分は充分にあるはずだ。

(新刊JP編集部・金井元貴)

■VR CENTER

越谷イオンレイクタウン mori 3F(ライトオン横)
JR武蔵野線・越谷レイクタウン駅から徒歩20分
営業時間10:00〜21:00
10月7日よりオープン