社長の「直感」で経営の方針や社内体制が決まる。そんな会社は少なからずあるものだ。

もちろん経営が好調であればその社長は称賛されるわけだが、うまくいってない場合はただ暴走しているだけになってしまう。

「やりたいから」「これがくると思うから」という感覚だけでやっていると、会社の明日はなくなるだろう。

『社長の直感ほどあてにならないものはない』(野山大彰著、 菊池学編集、海拓舎出版刊)は、直感に頼った経営を脱し、ドツボの状態にあった会社を3年で年商を15倍に引き上げた野山大彰氏が、自らのビジネス戦略の立て方と実現させる執行力の全てを紹介した一冊だ。

■「直感」で決めても売上につながらなければ意味はない

野山氏は、社長の直感ほどあてにならないものはないと述べる。

そして、直感で新たな事業に手を付けたものの、それが売上に結びついていない場合、早めに引かなければ会社が立ち行かなくなってしまう。

「現金になっている」「きちんと口座にお金が振り込まれている」という事実がある仕事だけを残し、それ以外を削るのだ。。

野山氏の会社は、売上につながっていなかった80%の仕事をやめ、利益が出ていた20%の仕事のリソースを集中した結果、年商を伸ばすことができたという。

ムダを生み出しているのであれば、すぐに止める方針を出す。そうやって経営基盤を整えることが、次のステップにつながる。そこで判断する材料は数字という「事実」であり、合理的に判断を下すことが社長にとって重要なのだ。

■従業員も「直感」に頼らず、向き合いたくない事実に向き合う

「直感」だけに頼らないという話は、社長の会社経営だけの話ではなく、一社員としての仕事のやり方にも通じるところがあるはずだ。

人それぞれ仕事のやり方はあるだろうが、「時間が足りない」「成果に結びつかない」など、それがうまくいっていないならば、仕事の進め方やムダを省くなど、仕事のやり方を改める決断をする必要がある。

会社経営でも仕事でも、利益を上げられていないならば、直感や感情を一度完全に無視して、向き合いたくない事実に向き合い、変わるためにやるべきことをやる。

そういった確固たる決断をすることが、変わるための最初の一歩となるのだろう。

ピンチのときや困難な案件を抱えたとき、どう乗り越えるか。その時の対処の仕方で、その会社の分岐点にもなるかもしれない。何を捨て、何を変えるか。本書から学ぶことは多いはずだ。

(新刊JP編集部)