広島は前節の鳥栖戦で勝点3を手にし、チャンピオンシップ進出に望みをつないだ。第2ステージ3節の柏戦以来となる1試合・3得点。なかでも、3年目の茶島雄介がゴールを決め、シャドーの選手に結果が出たのは大きかった。

【鳥栖2−3広島 PHOTO】 塩谷の豪快無回転シュートが炸裂!

 得点王レースでトップを走るピーター・ウタカに対するマークは、厳しさを増している。そのプレッシャーを2シャドーが分散させるのが理想だが、宮吉拓実やアンデルソン・ロペスが長期離脱中(前者は右大腿二頭筋筋損傷で全治8週間、後者は左ハムストリングス筋損傷で全治6週間)のうえ、柴?晃誠は4節以降の8試合で1得点、茶島は第2ステージでノーゴール。P・ウタカにDFが集中し、負担がかかりすぎていた。
 
 ただ、エースへのハードマークは、逆に言えばシャドーやボランチのところにはスペースがあるということ。鳥栖戦を迎えるにあたり、広島は通常よりも広いスペースで紅白戦を行ない、距離感を改善していた。それが形になったのが、62分の茶島のゴールである。
 
 茶島はペナルティアーク付近で塩谷司からくさびを受ける直前、2度ほどP・ウタカの位置を確認。そして、P・ウタカとDF2枚がいるゴール中央ではなく、スペースがある右斜め前にドリブルを仕掛ける。一歩目で先手を奪うと、右足でシュートに行くと見せかけて左足に持ち替え、マークマンをかわして豪快にシュートを突き刺した。ベンチで戦況を見守っていた佐藤寿人や森?兄弟らベテランも絶賛する、鮮やかな個人技だった。
 
「ボールを持った時にペナルティエリアで1対1だったので、行けるなと思いました。(ドリブルしながら)そのままシュートも考えましたが、相手が来そうだったので(切り返しを入れました)。上手く交わせましたね」
 
 シャドーがあまり得点を取れていない責任を、茶島自身も感じていた。だからこそ、「ここしかないという場面が来たので思い切って行った」という。
 
「『結果がほしい』と言い続けてきて、今まで散々チャンスがあったなかで、それをモノにできなかった。なかなか公式戦ではゴールの場面のようなプレーが出せていなかったんですけど、それを体現できて、かつ得点につなげられたので良かった」
 その一方で、自身の第2ステージ初得点もあって勝利したとはいえ、3点リードを奪った後に立て続けに2点を奪われ、ゲームマネジメントには課題を残した。茶島も現実を真摯に受け止め、厳しい表情で語る。
 
「去年は、相手が圧力を掛けてきても(失点を)ゼロに抑えることができていた。でも、今年は相手が圧力を掛けてきたら失点してしまうことが続いているので、そこは課題だなと。ブロックを作って引いて守る時に、誰がボールに行って、誰がカバーに行くのかとか、そういう細かい部分をはっきりしていかないといけない。自分としても、ゴールやアシストで結果を残し続けるしかない。もうそれだけです」
 
 奇跡のチャンピオンシップ進出に向けて――。背番号25は目の前の試合に全力でぶつかっていく覚悟だ。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)