宮代大聖は、人知れず苦しんでいた。00ジャパンのエースストライカーと言われながらも、6月のインターナショナルドリームカップ最終戦のメキシコ戦のゴールを最後に、今大会に入るまで、代表チームでのゴールから見放されていた。
 
 7月のオマーン遠征では棚橋尭士、中村敬斗がゴールを決め、直前の鹿児島合宿、茨城合宿でも久保建英、上月壮一郎、山田寛人と、ポジションを争うライバルたちが結果を残すなか、彼はチャンスを作れど、結果がついてこなかった。
 
 それだけに、相当な危機感を持ってインドの地に降り立った。
 
「チームの勝利に貢献したい」
 
 大会前、彼はこう語り、ストライカーとしての仕事を果たすことに大きな義務感を抱き、ゴールを渇望した。そして、その想いはすぐにピッチ上で表現された。
 
 グループステージ初戦のベトナム戦に先発起用された宮代は、2−0で迎えた40分、スローインを受けると、鋭い身のこなしと柔らかなボールタッチでターン。目の覚めるような強烈なミドルシュートを叩き込み、約2か月半ぶりに代表でのゴールをマークした。
 
 これまでの想いがこもった一撃。第3戦のオーストラリア戦でもスタメン出場し、チームの2点目となるゴールを決めた。
 
 だが、「オーストラリア戦では、前半に何度かチャンスがあるなかで決めきれなかった」と唇を噛んだように、チームは幸先よく先制しながらも、宮代はその後に訪れた二度のチャンスをフイにしている。15分に放った強烈なミドルはGKにセーブされ、19分にはGKと1対1になるも、シュートは枠を捉えられなかった。
 
 追加点のチャンスを逃したことで、オーストラリアを畳み込めず、立て直す時間を与えてしまった。GK青木心や守備陣の奮闘によって前半を無失点で凌いだことで、後半のゴールラッシュにつながったのだった。
 
 ゆえに宮代の表情に『満足』という二文字は一切無かった。むしろインドに来た頃よりもゴールを渇望し、チームを勝利に導こうとする気持ちはさらに強くなっている。
 
「UAE戦では今までのようにチャンスもそれほどないと思うので、最初のチャンスをモノにしたい。これに勝たないと何も意味を持たない。この一戦に懸ける想いは強いですし、絶対に勝ってU-17ワールドカップに行きたいと思います」
 
 25日夜、いよいよU-16アジア選手権の大一番、準々決勝のUAE戦を迎える。エースストライカー・宮代のゴールは間違いなくチームの士気を高める。だからこそ、周りは彼にゴールを期待する。そして、何より宮代自身が一番ゴールを求めている。
 
 エースが爆発するその時はやってきた。
 
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)