[J1第2ステージ13節]浦和3-0広島/9月25日/埼玉
 
 リーグ戦3試合連続でスタメン出場となった高木俊幸は、特別な想いを抱いて広島戦に臨んでいた。広島は浦和のライバルであるのに加え、昨季7月の対戦では自身のPK失敗でチームの無敗記録を止めてしまった因縁の相手。そして、小学校の頃から付き合いのある友人の父親がなくなったと報告を受け、「自分が点を取って友だちとその家族に元気を与えられたら」といっそう結果を追い求める気持ちが強くなったという。
 
 歓喜の瞬間が訪れたのは、2-0で迎えた60分。高木は広島が反撃を試みようと前に出てきたところで、最終ラインの裏を取って宇賀神友弥のパスに抜け出すと、飛び出してくるGKをあざ笑うかのような強烈なシュートをゴール右隅に突き刺した。今季リーグ戦10試合目で、待望の初ゴールだった。
 
「ようやく(ゴールを)取れました。変に執着心があったわけではないけど、広島は去年本当に悔しい想いをさせられた相手だったし、その気持ちが晴らせて本当に嬉しいです。得点シーンは得意な形だったので、これはもらったかなというような。でも、特に何も考えず、コースも最初からあっち(右)と決めて打った。『来て、止めて、はい』みたいな感じでした(笑)」
 
 この日はゴールだけではない。50分には柏木陽介との連係で左サイドを崩し、興梠慎三の得点をアシスト。さらに言えば、先制点の場面でも、武藤雄樹の折り返しに合わせてゴール前に飛び込み、オウンゴールを誘発している。出し手の武藤も、「オウンゴールになりましたけど、そのままでもトシ(高木)が決めてくれていたと思う」と称える動きだった。
 
 ルヴァンカップ準々決勝で2試合連続ゴールを決めるなど、好調を維持している。その一方で、前節のFC東京戦では自身に代わって出場した李忠成が逆転勝利の口火を切り、興梠も広島戦で2試合連続得点。優勝争いが佳境を迎えるなか、前線のポジション争いも激しさを増している。それでも、今の高木にはその緊迫感を楽しむだけの心の余裕がある。
 
「前節は逆にチュンくん(李)が決めて、悔しい思いをしたので、今日の結果はいろんな意味で自分にとって大きい。今はみんなが得点に絡めているし、チームとしてはこれ以上ない良い状態にあると思います。ピッチでプレーしている時は本当に楽しいですよ」
 
 このまま勝ち続けて優勝する――。充実の時を過ごす背番号13は、頂点を目指して走り続ける。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)

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