[J1第2ステージ13節]新潟0-2鹿島/9月25日/デンカS
 
 ボールを保持して攻めても、ゴールを奪えない――。今季を象徴するかのような戦いぶりで鹿島に敗れた新潟は、ついに降格圏(年間16位)との勝点差が1に縮まった。
 
 試合開始前、残留争いのライバルである名古屋が勝利(仙台に2-1で勝利)したため、「皆、気合いが入っていた」(山崎亮平)のは十分に伝わってきた。1対1の局面や空中戦での勝負では一歩も引かず、球際で激しい攻防を繰り広げる。そんな選手たちの闘う姿勢は、安易に失点を重ねた前節の横浜戦で見せたそれを上回るものだった。
 
 しかし、「相手を中でプレーさせないよう、中央を絞り込むこと」(石井正忠監督)を徹底してきた鹿島の術中にハマり、相手ゴール前を崩せぬまま時間は経過。すると、後半開始早々、柴崎岳に見事なボレーシュートを決められて先制点を献上してしまう。
 
「あの1点で、ガクッときてしまった」(小泉慶)
 
 無失点に抑えることに集中していた新潟にとって、この失点はまさに痛恨だった。その後反撃へ転じたが、流れの中から決定機は作れない。むしろ、前半よりも前線にボールが収まる回数も減った。
 
 挙句の果てに、前掛かりになった隙を突かれてPKを献上。終了間際にリードを2点に広げられたシナリオは、まさに鹿島の思う壺だった。
 
「練習でやっている通りのことはできているが、それが結果に結びつかない」(小泉)
 
 新潟の課題は、まさにこのひと言に尽きる。リズム良くパスを回しながら相手陣内で試合を進める時間は多い。ただ、そのほとんどがバイタルエリアより外側で、崩しの局面で精度不足を露呈してきたのも確かだろう。シーズン序盤戦から引きずってきたこの問題は、ここにきて致命傷となりつつあるのだ。
 
 残り4試合となった現段階で内容を吟味してる場合ではない。しかし、今のままでは攻撃が手詰まりになり、失点して敗れる悪循環を繰り返しかねない。最も怖いのは、結果が出ない重圧に押しつぶされ、選手たちの自信が失せてしまうことだ。
 
「上を向いて、おかしな雰囲気を自分たちから作ることは絶対にないように、チームがひとつになって戦っていきたいと思います」(吉田達磨監督)
 
 鹿島戦後、こう言い残した指揮官だったが、27日に成績不振でその任を解かれた。コーチから昇格した片渕浩一郎新監督のもと、2004年の昇格以降、13シーズン連続してJ1で戦い続けてきた新潟は果たして、嫌な流れを断ち切ることはできるだろうか。

取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)