【鳥栖|採点・寸評】
鳥栖 5.5
ホームで3失点を喫し、常にリードされながらの苦しい試合運びを強いられる。それでも内容は悲観すべき点ばかりでなく、エースの帰還や若い芽の出現などポジティブな面も少なからずあった。2ゴールを返したことも評価したい。
 
GK
33 林 彰洋 5
1失点目は責任を問うほうが厳しい。ただ、2失点目はコーチングも含めて修正を施す必要がありそう。3失点でかなり辛めの採点となったが、そんななかでも51分には西村のシュートを弾き出すなど好守は見せた。
 
DF
8 藤田優人 6
サイドに流れるR・ロペス、ドリブルの得意な奥埜の対応に追われる場面が多く、逆サイドの吉田と違って前へと走る姿は限定的。ただし守備では決して崩されることなく、安定したパフォーマンスを披露した。
 
5 キム・ミンヒョク 5.5
強烈な寄せと空中戦でも身体をガツンと当てる思い切りの良さで、R・ロペスに中央では自由を与えなかった。26分の失点のシーンでは切り替えが遅く、中途半端なポジショニングに。それでも豊田のゴールをアシストして挽回した。
 
29 谷口博之 5
高い統率力を発揮はしていたが、不意に最終ラインでマークがズレるのを最後まで修正できず。個人のプレークオリティは決して低くなかったが、3失点目はR・ロペスの動きについていけなかった。
 
23 吉田 豊 6.5
2失点目は中央に釣られて、大外のR・ロペスをフリーにしてしまう痛恨。ただ、身体の強さと推進力で攻撃を活性化。積極果敢な駆け上がりで対峙した大岩の攻撃参加を牽制し、2得点目のアシストも見事だった。
 
MF
25 早坂良太 6(89分OUT)
大きく目立つようなことはないが、豊富な運動量と気の利いた位置取りでパス回しの潤滑油となる。ボールへのチェックも素早く、仙台に主導権を握られないための重要なカードとして機能していた。
 
14 高橋義希 6
中盤の底で調整役としてバランスを整えながら、攻撃時にはビルドアップの始点を担うだけでなく、機を見ては前線にも顔を出した。2点ビハインドから、チームに活気を取り戻すゴールも挙げた。
 
30 福田晃斗 5.5
仙台の西村に当たり負けしてボールを奪われたことが先制点献上につながった。同サイドでコンビを組んだ吉田と比べると終盤を除いて無難なプレーに終始した感が否めず、存在感は希薄。どうしても採点は下がってしまう。
24 鎌田大地 5.5(72分OUT)
厳しいマークを受けるなかで決定機を演出できずに評価を下げたものの、キラリと光るものは感じさせた。基本的な技術はもとより、プレービジョンとスペースにボールを運ぶ能力の高さはさすがだ。
 
FW
18 富山貴光 5.5(53分OUT)
トップの豊田とトップ下の鎌田の間のスペースをカバー。ボールを収めてサイドに展開しようとした。しかし、後半開始早々に交代した事実をもっても、その役目を十分に果たしたとは言えなかったのではないか。
 
11 豊田陽平 6.5
前半こそ地上戦でも得意の空中戦でも自由にさせてもらなかった。徐々にプレーインテンシティを取り戻すと、63分に芸術的なヘディングでゴール。コンディションは完ぺきではないが、仙台CBにとって脅威だった。
 
交代出場
9 ムスタファ・エル・カビル 6(53分IN)
身体の強さと果敢さで、仙台ディフェンスを脅かす。FWとしてゴールという目に見える結果は残せなかったものの、それ以外での働きは十分に及第点に値する。豊田との2トップは怖さがあった。
 
40 石川啓人 5.5(72分IN)
フレッシュさでチームに活力を与える。「最初はプレースピードに戸惑った」ものの、すぐに順応するとゴールを狙う姿勢も。ただ、「シュートは決めなければいけなかった」と初のJ1リーグ出場には悔いが残ったようだ。
 
22 池田 圭 −(89分IN)
同点、あわよくば逆転を狙って89分から最後の交代カードとしてピッチに立つ。ただ、あまりにもプレータイムが短く、ボールタッチは数えるほど。普段の練習からアピールして、出場を増やしたいが……。
 
監督
マッシモ・フィッカデンティ 5.5
ボールを握りながらもリードを許す焦れた展開を打破するためにM・エル・カビルの投入で前線の基準点を増やすと、石川をピッチに送り込んで勢いを生む。敗戦は重く受け止めるべきだが、チームの良さは示した。
 
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
【チーム採点・寸評】
仙台 6
最終ラインを高く保ち、中盤との距離を縮めながら相手の攻撃を絞り込んだ。攻撃でも相手のウィークポイントを的確に突いた。後半はスペースを与えてしまったことで反撃を受けたが、勝ち切ったのは収穫だろう。少し敵地で勝点3を奪ってJ1残留を決めた。
 
【仙台|採点・寸評】
GK
21 関憲太郎 6
鳥栖の高さに臆さずにハイボールをしっかりと処理。2失点を喫したものの、1失点目は豊田を褒めるしかなく、責任を追及するなら2失点目のみか。それも飛び出しの判断は難しく、総じて及第点だったと言える。
 
DF
27 大岩一貴 6
幾度も自陣深くまで侵入を繰り返す吉田への対処に苦慮した。2失点目も自身のサイドから。後手に回った割には水際で止めている場面も多く、一方的にやられていたわけではないばかりか、カバーリング能力の高さも見せた。
 
13 平岡康裕 5
開始早々に相手にボールを当ててピンチを作るなど、最終ラインを任せるのに不安を覚えてしまう。豊田の上手さを褒めるしかないとは言え、失点にも絡んでしまったため、大幅に採点を下げざるを得ない。
 
3 渡部博文 6.5
パワフルな豊田とM・エル・カビル、動きの素早い富山や鎌田とバチバチにやり合う。守備の統率者として2失点は反省すべき材料が多いものの、激しさの一点においては、両チームで最も体現していた存在だろう。
 
26 藤村慶太 6.5
前半こそ軽率なパスミスや精度の低いプレーを見せていたが、すぐに修正。確かな足もとの技術をベースに左SBながら攻撃の組み立ての一翼を担う。55分にはピンポイントクロスでR・ロペスのゴールをお膳立てした。
 
MF
17 富田晋伍 7
「リズムを掴みにくかった」とは言うものの、守備だけでなく攻撃でも躍動。先制点の場面ではR・ロペスにスルーパスを通し、2点目は隙を見逃さずにリスタートで起点に。主将として戦う気持ちも見せていた。
 
18 三田啓貴 6
富田と上手くコミュニケーションを取りながら、攻守にスペースを埋める。派手さのあるプレーを披露したわけではないが、痒い所に手が届くポジショニングとパスワークでチームを縁の下から支えた。
7 奥埜博亮 6(83分OUT)
左サイドハーフとして、豊富な運動量を発揮。一瞬のスピードでマークを引き剥がし、ボールを受けてターンする動きは洗練されてきた。75分にR・ロペスのゴールを生んだロングパスは、状況判断の良さを象徴している。
 
10 梁 勇基 6(86分OUT)
流動的にポジショニングを変更しながら、攻撃のリズムを作る。手詰まりのシーンでもなんとかしてしまうなど、いなくてはならない選手だと改めて証明。ただ、コンディションはまだ上がっておらず、ミスも目に付いた。
 
FW
30 西村拓真 5.5(68分OUT)
コースを限定しながらのチェイシングで味方の守備の助けとなる。ただ、あくまでも「勢い」でプレーしている部分が大きく、51分には決定機を相手GKに阻まれる。ポテンシャルと次戦以降への期待も込めての評価となった。
 
20 ハモン・ロペス 7.5  MAN OF THE MATCH
鳥栖最終ラインと何度も駆け引きをして生み出した1得点目、大外からヘディングでゴールネットを揺らした2得点目、相手DFを翻弄して強烈ミドルを突き刺した3得点目と、引き出しの多彩さで勝点3を引き寄せた。
 
交代出場
11 金園英学 6(68分IN)
ピッチに戻ってこられた嬉しさを表わすように、最前線から全力でプレッシング。攻撃では身体を張りボールを収めて時間を作るとともに、ファウルをもらってチーム全体の押し上げを助けた。
 
31 茂木駿佑 −(83分IN)
サイドから圧力を掛けてくる鳥栖に対抗するために、奥埜に代わって出場。追い上げムードだった相手に持ち味である攻撃面でのアピールとはならなかったが、監督から求められた仕事はこなした。
 
25 菅井直樹 −(86分IN)
茂木と同じ役割を与えられて、梁との交代で短時間ながらピッチへ送り出される。鳥栖の攻撃に蓋をするだけでなく、虚を突いてゴール前に姿を現わすなど、たった数分ながら“らしさ”は披露したのではないか。
 
監督
渡邉 晋 6.5
鳥栖の戦術をしっかりと分析して、チームに過不足なく落とし込む。2失点したものの、勝ち切ったのは評価されるべきで、鳥栖のサイド攻撃に蓋をするための交代も含めて、手腕を存分に振るった。
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
 
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。