[J1第2ステージ14節]浦和 4-0 G大阪/10月1日/埼玉
 
 スコア0-4、ボール支配率42%対58%、シュート数3対20、決定機0対6。データ上は、どの項目を切り取ってもG大阪の完敗だ。しかし、ディフェンスリーダーとしてフル出場した丹羽大輝の見解は違った。アデミウソンが一発退場で数的劣勢となったなかでも、「最後までみんな諦めずにファイトしていた」と胸を張る。
 
「敗戦は真摯に受け止めます。でも、ひとり少なくなった状況でみんな2人分、3人分走って追い回していたし、気持ちを込めて90分間戦っていた。後ろから見ていて、みんな頼もしかったです。次につながる試合ができたと思うので、誇りを持って、顔を上げて堂々と帰りたい」
 
 ベタ引きすれば、10人でも0-2のまま試合を終わらせられる可能性はあっただろう。しかし、それではステージ優勝、年間勝点3位は見えてこない。「僕らは勝ちに行かないといけない」(丹羽)立場だから、リスクを冒してトライする道を選んだ。追い上げることはできなかったが、決して下を向く必要はない、というのが丹羽の持論だ。
 
「浦和は(興梠)慎三とか武藤(雄樹)がディフェンスラインのギャップを突くダイアゴナルな動きを狙っている。ただ、こっちもそこでの駆け引きをやっているわけで。そこで上回れるか、上回れないかでゲームは変わってくる。浦和とやる時はいつも厳しい展開になります。攻撃では決定機はなかったですけど、ひとり少なくなるまでは、自分たちでしっかりゲームをコントロールできていた。強いて言えば、もう少しボールを動かすテンポを上げていければ良かったかなと」
 
 この日の敗戦で、第2ステージは首位・浦和との勝点差は7に広がり、年間勝点3位の鹿島との勝点差も8から詰めることができなかった。リーグ戦は残り3試合、机上では可能性こそ残っているが、現実的には「もうチャンピオンシップは厳しい状況」(長谷川健太監督)だ。それでも、シーズンはまだ終わっていない。「カップ戦が残っている」という指揮官の言葉に呼応するように、丹羽は“もうひとつのタイトル”への意欲を語る。
「この敗戦から、自分たちが何かを学ばないと次につながらないし、それがプロフェッショナルのあるべき姿。すぐに次の試合があるので、カップ戦(ルヴァンカップ)に切り替えるしかない。僕は、ここがガンバの“正念場”だと思う。ここで切り替えられなかったら、今まで積み上げてきたものがなくなってしまうから。ルヴァンでしっかりタイトルを獲る。もうそこしかない」
 
 丹羽は2014年に三冠を達成した際、「チームにとっても、僕にとってもあくまで通過点」と語った。その真意は、「ガンバを世界でも名を知られるくらいの、ビッグクラブにしたいという野望がある」(丹羽)から。タイトルを獲れるか獲れないかで、シーズンの評価が大きく変わってくるのはもちろん、14年(リーグ戦、ルヴァンカップ、天皇杯)、15年(天皇杯)とタイトルを獲得してきた流れを止めたくない想いが強いのだろう。
 
「次から次へと試合はやってくるので、そこに向けて全力で戦っていきたい」
 
 G大阪の背番号5は、苦境の今だからこそ、ポジティブに、そしてどこまでも貪欲にタイトルを追い求める。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)

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