[J1第2ステージ14節]浦和 4-0 G大阪/10月1日/埼玉
 
 2-0で迎えた83分、森脇良太からの縦パスを駒井善成が右サイドでキープする。そこから、猛スピードでオーバーラップした森脇に再び渡り、最後は――。
 
 森脇のピンポイントクロスを、左サイドから中央に入り込んでいた宇賀神友弥が左足で合わせる。インサイドキックで正確にミートされたボールは、ポストに当たって逆サイドのネットを揺らした。
 
 G大阪がアデミウソンの退場でひとり少ない状況だったとはいえ、鮮やかな崩しからの完璧なシュート。試合を決定づける意味でも貴重な一発だった。得点が決まると、宇賀神は浦和サポーターが詰めかけたゴール裏へと駆け寄り、「歓声をもっとくれ!」とばかりに両手を耳に当てて、余韻に浸った。宇賀神は得点シーンをこう振り返る。
 
「(柏木)陽介が自分のポジションも確認して、わざとスペースを空けるようにニアに動く出してくれた。あとは森脇(良太)くんのボールも完璧。完璧すぎて緊張したくらいです(笑)。(シュートは)際どいコースに行きすぎましたけど、狙いとしてはあそこだったので、良かったです」
 
 報道陣から「サポーターのところに行って何を聞きたかったんですか?」とパフォーマンスの意図を問われると、少し照れくさそうに笑いながら口を開いた。
 
「普段、僕はあまり褒められることは多くないので、『点を取った時くらい褒めてくれよ』という意味で行きました(笑)。勝負を決めに行く3点目で非常に重要なゴールだったと思うし、スタジアムがグッと盛り上がる雰囲気を味わえた。ひとつでも多く、またそういう瞬間を味わいたいと思いました。まあ、『すかしすぎで気持ち悪い』と、みんな(チームメイト)には悲鳴が聞こえたみたいですけどね(苦笑)」
 浦和、そして宇賀神は近年G大阪に苦汁を味わせられてきた。特に2年前の2014年シーズン、勝てば優勝が決まる直接対決(11月の32節)で決定機を外して敗れ、その後チームは優勝を逃している。「敗戦は自分のせい」と責任を感じていた宇賀神にとって、G大阪戦は「34分の1の試合ではなかった」。それだけに、「(宿敵を)しっかり叩きのめすんだ」というペトロヴィッチ監督からの檄を実行に移せたことも、彼の心に広がっていた霧を晴れさせる要因となったに違いない。
 
 もっとも、G大阪戦の勝利はあくまで目標への“通過点”に過ぎない。「自分たちはまだ何も手にしていない」と話すように、宇賀神が見据えるのはあくまで優勝だ。
 
「自分たちは年間チャンピオンしか見ていない。勝負強さを見せるのはここからだし、目の前の試合を勝って行けば、自ずとゴールは近づくと思います」
 
 心技体ともに充実した「背番号3」の活躍が、悲願の優勝の鍵を握ることになりそうだ。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)

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