ロシア・ワールドカップ・アジア最終予選のイラク戦(10月6日)、オーストラリア戦(同11日)に臨む日本代表メンバー24名は現在、決戦に向けての調整に余念がない。
 
 ここでは、シーズン開幕を迎えたばかりの欧州から舞い戻った選手たちの直近のパフォーマンスを振り返る。怪我で招集を辞退した武藤嘉紀(マインツ/ドイツ)、宇佐美貴史(アウクスブルク/ドイツ)を除く13選手の近況はいかなるものか!?
 
――◇――◇――
 
FW
本田 圭佑(ミラン/イタリア)
今季セリエA成績:2試合出場(先発なし)・0得点
 
 入団4年目を迎えたミランで、かつてないほどの苦境に立たされている。9月の代表戦明けのウディネーゼ戦(●0-1)で11分間だけ出場したが、以降は出番なし、7分間出場(5節ラツィオ戦)、出番なし、出番なしという有様だ。
 
 直近のサッスオーロ戦(○4-3)でもそうだったが、ゴールが欲しい場面でもベンチに座ったままという日が少なくない。モンテッラ監督はこの背番号10を、攻撃の駒ではなく、むしろ試合を終わらせる「クローザー」として見ているフシすらある。
 
 言うまでもなく、コンディションと試合勘の不安は否めない。それでも、過去の実績と経験を重視して使うのか――ハリルホジッチ監督の判断に注目が集まる。
 
FW
原口 元気(ヘルタ・ベルリン/ドイツ)
今季ブンデスリーガ成績:6試合出場(先発6試合)・0得点
 
 今季、まだゴールは生まれていないが、好調のチームのなかで原口もトップフォームを維持しており、『キッカー』誌では日本人最高となる平均2.9の評価を受けている。
 
 2節のインゴルシュタット戦(○2-0)では、スルーパスとクロスで2アシスト。その後は結果には絡んではいないが、毎試合、決定的なチャンスを作り出し、6節ハンブルク戦でも左からのカットインからポスト直撃の強烈なミドルを放っている。
 
 あとは決めるだけ、といった感じだ。
 
FW
岡崎 慎司(レスター)
今季成績(プレミアリーグ):5試合(先発3試合)・0得点
 
 前回の代表戦から約1か月のあいだに、岡崎は定位置を失った。
 
 今夏の移籍市場最終日に加入したアルジェリア代表FWのスリマニが公式戦5試合で3ゴールと好結果を残したことで、3番手のFWに格下げされた感が否めない。
 
 しかし、キレが悪いわけではない。リーグカップ3回戦のチェルシー戦(●2-4)では2ゴールを挙げてラニエリ監督から「とても賢い」と称賛されるなど、プレーでアピールしている。
 
 リーグ7節のサウサンプトン戦(0-0)では、66分から出場。ゴールをかすめる惜しいシュートも放ち、さらに守備にも奔走するなどコンディションは悪くなく、代表戦には問題なく臨めそうだ。
 
FW
浅野 拓磨(シュツットガルト/ドイツ)
今季ブンデスリーガ2部成績:4試合出場(先発3試合)・0得点
 
 前回の代表戦後に行なわれた4節のハイデンハイム戦(●1-2)の終盤に途中出場し、シュツットガルトでのデビューを飾った。
 
 その後、ルフカイ監督が退任することになったが、続くカイザースラウテルン戦(○1-0)では2トップの一角として先発フル出場し、武器であるスピードを活かして、躍動感あるプレーを見せた。
 
 6節のブラウンシュバイク戦(○2-0)では68分までプレーし、右サイドのクロスから初アシストを記録。7節のボーフム戦(1-1)でも74分までプレーしたが、ここでは目立ったプレーはなかった。
MF
長谷部 誠(フランクフルト/ドイツ)
今季ブンデスリーガ成績:4試合出場(先発4試合)・0得点
 
 前回の代表ウィーク後は、2節ダルムシュタット戦(●0-1)、3節レバークーゼン(○2-1)でダブルボランチの一角としてプレーし、開幕から3試合連続の先発フル出場を果たしたが、4節のインゴルシュタット戦(○2-0)では出番がなかった。
 
 この欠場については、コバチ監督がローテーションを示唆する発言をしていたため、過密日程の疲労を考慮してのものかと思われたが、続く5節のヘルタ・ベルリン(3-3)でも出場はなかった。
 
 しかし、直近の6節フライブルク戦(●0-1)では、ダイヤ型中盤の底で先発フル出場を果たしている。
 
MF
香川 真司(ドルトムント/ドイツ)
今季ブンデスリーガ成績:3試合出場(先発1試合)・0得点
 
 前回の代表期間中に負った足首のケガが響き、苦しい1か月を過ごすことになった。
 
 2節のライプツィヒ戦(●0-1)ではメンバーから外れ、続くチャンピオンズ・リーグ(CL)のレギア・ワルシャワ戦でも大事を取って出番なし。
 
 3節のダルムシュタット戦(○6-0)では後半途中から26分プレーしたが、ここでチームの勢いに乗り損ねた香川は、ヴォルフスブルク戦(○5-1)、フライブルク戦(○3-1)と出場がなく、続くレアル・マドリー戦(2-2△)ではメンバーからも外れた。
 
 6節のレバークーゼン戦(●0-2)で20分弱プレーしたが、ここでも見せ場は作れなかった。
 
MF
清武 弘嗣(セビージャ/スペイン)
今季リーガ・エスパニョーラ成績:3試合出場(先発3試合)・1得点
 
 開幕戦で好プレーを見せ、ゴールも挙げるなど最高のスタートを切ったが、9月の代表選明けでの出場は9節エイバル戦(1-1)の90分間だけである。
 
 サンパオリ監督は試合ごとに戦い方を変え、選手も頻繁に入れ替えているが、ナスリらが先発に固定される一方で、清武は指揮官の選択肢に入らず、7節のアラベス戦(○2-1)ではついにベンチ外となってしまった。
 
 自身のブログで「どうやって自分をアピールしたらいいのか……」と心情を吐露するほど厳しい状況にあるが、身体的なコンディションに問題はない様子。「大事な試合」と位置付ける代表戦をきっかけに、現状打破を試みる。
 
GK
川島 永嗣(メス/フランス)
今季リーグアン成績:出場なし
 
 メスは開幕から8試合を消化したが、“3番手のGK”として今季より加入した川島は、いまだにベンチ入りができていない。
 
 現在は、2軍チームの一員としてプレーする日々が続いている。
 
 なお、チームはリーグ最多タイとなる15失点を喫するなど守備陣は安定していないが、4勝1分け3敗で8位につけている。
 
DF
酒井 宏樹(マルセイユ/フランス)
今季リーグアン成績:8試合出場(先発8試合)・0得点
 
 チームは20チーム中14位と低迷しているが、酒井は不動の右SBとしてプレー。6節のレンヌ戦(●2-3)では相手選手の膝が右足の太ももに入り、開始9分でピッチを後にするハプニングがあったが、それ以外では全試合で先発フル出場を果たしている。
 
 7節のナント戦(○2-1)ではクロスから惜しいシーンを作り出したが、味方FWが決められず、初アシストとはならなかった。
 
 リーグアンの総合的な身体能力の高さには苦戦中のようで、最近2試合はハイボールに競り負け、失点に関与してしまっている。
DF
酒井 高徳(ハンブルク/ドイツ)
今季ブンデスリーガ成績:6試合出場(先発6試合)・0得点
 
 開幕節から右SBとして、全試合で先発フル出場を果たしている。
 
 しかし、クラブは前回の代表ウィークから全ての試合で敗れており、今季、リーグ戦ではまだ勝利がない。チームは守備陣が安定せず、酒井も失点に絡むシーンが散見される。
 
 成績不振を受けて9月末には酒井のハンブルク移籍の大きな理由となったラッバディア監督が解任。後任にギスドルが就いた後も酒井は右SBとして先発しているが、チームは連敗から抜け出せていない。
 
DF
長友 佑都(インテル/イタリア)
今季セリエA成績:2試合出場(先発1試合)・0得点
 
 9月の代表招集辞退に繋がった右ふくらはぎの怪我はすでに完治。しかし、インテルではデブール新監督の評価が思わしくない。
 
 左SBでフル出場しヨーロッパリーグ(EL)のハポエル・ベエルシェバ戦(●0-2)以降は、公式戦4試合連続で出番なし。セリエA7節のローマ戦(●1-2)では62分から出場の機会を得るも、状況判断のミスが目に付いた。
 
 スプリントで左サイドを突破してクロスを上げるなどコンディション的には悪くなさそうだが、守備の局面では、試合勘のなさが致命傷になりかねない。果たしてハリルホジッチ監督の選択は……。
 
DF
太田 宏介(フィテッセ/オランダ)
今季エールディビジ成績:3試合出場(先発2試合)・0得点
 
 先発出場した開幕戦の後半にクライスバイクと交代して以降、ベンチを温め続けていた太田だが、5節のアヤックス戦(●0-1)でようやく出番が回ってきた。
 
 これは太田からポジションを奪ったクライスバイクの退場によるもので、ここで16分間プレーすると、続くゴーアヘッド・イーグルス戦(○2-1)では5試合ぶりに先発出場を果たし、攻守で勝利に貢献している。
 
 しかし、以降の2試合では再び出番なし。22日のリーグカップ1回戦(4部のデダイクに7-0の勝利)にフル出場したのが現時点で最後の出場試合だが、本人は「この試合に出られたことは大きかった」と語っている。
 
DF
吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)
今季プレミアリーグ成績:1試合(先発1試合)・0得点
 
 リーグ戦は1節のワトフォード戦(1-1)以降は未出場も、リーグカップとELのカップ戦では3試合全てでフル出場。いずれも完封し、まずまずのプレーを見せている。
 
 とはいえ、CBとしての序列は3番手のまま……。フォンテ、ファン・ダイクの両CBからスタメンの座を奪取できずにベンチを温めているのが現状だ。
 
 主力の両CBに緊急事態でもない限り、吉田の地位に変動はなさそうで、体力的に問題なく臨める代表戦でのプレーが、彼にとっては重要なアピールの場にもなるだろう。
 
※データは全て10月3日現在
 
文:山口 裕平(ブンデスリーガ、リーグアン所属選手)、サッカーダイジェストWeb編集部(プレミアリーグ、リーガ・エスパニョーラ、セリエA、エールディビジ所属選手)