[ロシアワールドカップ・アジア最終予選]日本 2-1 イラク/10月6日/埼玉
 
 1-1で迎えた81分、本田圭佑に代えて小林悠を投入後、吉田麻也は最終ラインから前線へとポジションを上げた。今後の戦いを見据えても重要な一戦、ましてやホームゲームで勝利以外は許されない。選手たちの気持ちはみな一緒だったのだろう。パワープレーの切り替えは、ピッチ内の選手で判断したという。

【W杯最終予選PHOTO】日本 2-1 イラク|山口、執念の決勝ボレー弾!

「ハセさん(長谷部誠)とか、(原口)元気とか、みんな『(前線に)行け、行け!』と言うし、まあ僕もタイミングを見て行こうと思っていたので」
 
 90分、90+1分とロングボールに競り勝って浅野拓磨のチャンスを立て続けに演出。さらに吉田の“奮闘”は続く。90+4分、懸命にこぼれ球を追いかけてボールをキープすると、相手のファウルを誘い、山口蛍の決勝弾を呼び込むFKを獲得した。

 劇的なゴールが生まれたのはもちろん、「やってやったぞ!」という想いもあったのだろう。ベンチの選手たちと喜びを分かち合う際、何度も大きなガッツポーズを見せていた姿が印象的だった。
 
 2次予選を含め、吉田がパワープレーに出る試合は何度かあったが、目に見える結果を出したのは初めてと言っていい。長身FWを招集しないなかで、パワープレーを採り入れることには非難の声が上がるかもしれない。この日も、海外メディアから「パワープレーについてどう思うか?」と問われる一幕があったが、吉田は「今日は(パワープレーで)勝てましたよね」とプライドを覗かせた。
 
「パワープレーの練習はしていません。でも、みんな共通理解で分かっているから、難しいことではないかなと。まあ、パワープレーがいいかどうかは皆さんが書いてください」
 ただ、次に対戦するオーストラリアはサイズがあり、屈強な選手も多いだけに、「このままではいけない」とも思っている。
 
「改善しないといけない点は多いです。オーストラリア相手に何回もパワープレーで勝てるとは思えない。今日はハッピーエンドで終わりましたけど、もっと効果的な攻め方を見出していかないと。オーストラリア戦はその(パワープレーをする)前に決着をつけたいですね」
 
 あくまで“最終手段”のパワープレーを、果たしてオーストラリア戦で繰り出さなければいけない展開となるか。ひとつのキーポイントと言えそうだ。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)

【日本 2 - 1 イラク|PHOTOギャラリー】劇的な一戦を写真で振り返る!