【日本代表・総評】
6.5
 開始早々から攻め込まれ、2分にはポストを叩く決定的な一撃を喰らう。それでも辛抱強く相手の勢いに耐えながら、清武のいくつかの個人プレーで流れを引き寄せ、25分の原口の先制ゴールに繋げた。
 
 1点リードで迎えた後半は、60分にセットプレーから痛恨の失点。その後は懸命に攻め立て、最終盤はCB吉田を前線に上げてパワープレー。90+5分には、その吉田の粘りから奪ったFKのチャンスから途中出場の山口がミドルを叩き込み勝ち越し。格下相手に苦しんだのは事実だが、絶対に欲しかった勝点3を手中に収めたことは評価できる。
 
【個人採点・寸評】
[GK]
12 西川周作 6
ハイボールの処理は安定。前半終了間際の至近距離からのシュートも慌てずにストップしたし、6分に原口に通したキックは正確極まりなかった。失点シーンでGKを責めるのは酷だろう。
 
[DF]
19 酒井宏樹 5.5
ペナルティーエリア内での寄せが甘く、際どいシュートを打たれる場面も。攻撃参加した時は、難しいことはせず、シンプルにクロスを供給した。
 
22 吉田麻也 6.5
最終ラインでの冷静なボール捌きからロングボールを供給し、相手の動きを見極めたシュートブロックも見事。63分にはCKにヘッドで完璧に合わせたが、枠を捉えられなかった。終盤はパワープレーを託され、前線の粘りから決勝点につながるFKを獲得した。
 
6 森重真人 5.5
守備では相手のスピードに戸惑い、ビルドアップでは判断が遅れる時もあった。縦につけるパスの数を増やしたい。
 
21 酒井高徳 5
空中戦で弱さを露呈。同点弾も場面もアブドゥルアミールに競り負けた。球際の勝負でも取り切れず、「デュエル」で大きな課題を残す。攻撃面では積極的に高い位置に顔を出し、左サイドを活性化したが……。
 
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし
[MF]
17 長谷部誠 6
ミドルゾーンにどっしりと構えながら、中盤のエリアをしっかりと監視。同点とされてからは攻撃の強度を上げた。吉田を前線に上げてからは、実質的に最終ラインでプレー。
 
7 柏木陽介 5.5(67分OUT)
よくボールに絡み、試合を動かそうという意欲を見せる。しかし、相手の素早いプレスに手を焼いた印象で、流れを切る場面や後方へのパスが少なくなく、期待された展開力は鳴りを潜めたまま、後半途中でピッチを後にした。
 
13 清武弘嗣 7
香川を退けてトップ下で先発。10分のドリブルシュート、12分の岡崎へのパス、14分のボレーシュートと立て続けに好プレーを見せ、序盤の悪い流れを変える。25分には中央からドリブルで崩し、右サイドに流れて原口の先制弾をお膳立て。味方を前に向かせる縦パスも効果的で、攻撃の中心としてフル稼働した。ファウルをもらう身体の使い方も巧みで、随所で技術の高さを披露した。
 
[FW]
4 本田圭佑 5(81分OUT)
いかにも身体が重そうで、敵を背負った状態でなかなかキープできず、簡単に倒されたり、ボールを失ったりする場面が散見された。先制点の場面では清武に絶妙なパスを通し、後半はややチャンスに絡む回数が増えるも決定的な仕事はなし。交代直前には原口のクロスから放ったヘディングシュートも、ポストに嫌われた。
 
9 岡崎慎司 5(75分OUT)
前線で起点を作ろうと身体を張ったプレーが光り、守備も精力的にこなした。とはいえ、清武のスルーパスに良い形で抜け出した後半開始早々のプレーでは、ボールが足につかず、チャンスを潰した。
 
8 原口元気 6.5
本人の望み通り左サイドで出場。開始10分まではミスが目立ったが、徐々に落ち着きを取り戻し、清武のアシストから2戦連続弾をゲット。右からのクロスをヒールで流したテクニカルなゴールだった。その後もドリブルやクロスが冴え、守備も献身的にこなした。
 
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし
[交代出場]
★MAN OF THE MATCH★
MF
16 山口 蛍 7(67分IN)
柏木との交代でボランチに入る。問題なくゲームに入り、素早い潰しや巧みなパスワークで中盤を活性化。そして迎えた90+5分、FKのこぼれ球に反応して低く抑えた弾道のシュートでネットを揺らし、勝利の立役者に。今日が誕生日のMFにとっては、これ以上ないバースデーゴールとなった。
 
FW
18 浅野拓磨 5.5(75分IN)
岡崎に代わってCFを担う。ただ、自慢の快足を生かせるようなボールがなかなか届かず、2度訪れたエリア内でのゴールチャンスも決められず。
 
FW
14 小林 悠 −(81分IN)
原口のクロスに合わせようとしたが、相手GKに阻まれる。限られたプレータイムのなかで、本領を発揮しきれなかった。
 
[監督]
ヴァイッド・ハリルホジッチ 6
香川を外して、トップ下に清武を抜擢した決断は悪くなかったが、同点とされた後のゲーム運びに難。とはいえ、終盤は前線に上がった吉田の粘りと、途中出場の山口のゴールで勝利。結果的に采配は当たり、劇的な勝利を収めた。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし