【イタリア|チーム&監督 採点&寸評】
チーム 6
テクニックで上回るスペインをリスペクトし過ぎて、消極的な振る舞いに終始、奪ったボールを自陣から持ち出すことすらままならなかった前半は、決定機こそ与えなかったとはいえ失望させられる内容だった。55分に失点した後、インモービレ投入をきっかけに攻勢に転じた最後の30分はポジティブに評価できるが、メンタル的な困難に陥ったスペインを押し切るだけのクオリティーとパーソナリティーに欠けるところはこのチームの限界か。
 
監督 ジャンピエロ・ヴェントゥーラ 5.5
前半の振る舞いが消極的に過ぎたにもかかわらず、ハーフタイムに修正できず。ブッフォンの「事故」で先制された後、インモービレ、ベロッティの投入で流れを変えた点は評価できる。とはいえ、CK時にスペインがショートコーナーで数的優位を作って危険な状況を生み出していたにもかかわらず、ハーフタイムまで手を打たなかったのは明らかなミスだ。
 
【イタリア|選手採点・寸評】
[GK]
1 ジャンルイジ・ブッフォン 5
冷静かつ的確なコーチングで最終ラインに落ち着きを与えるも、最終ラインが裏を取られた唯一の機会(55分)に飛び出しをミスして空振り。痛恨の先制点をプレゼントした。名手らしからぬ失態だ。
 
[DF]
★MON OF THE MATCH
15 アンドレア・バルザーリ 6.5
積極的な飛び出しで危険の芽を摘めば、攻撃でもDF陣では最も積極的にリスクを取る。際立ったパーソナリティーでチームを牽引し、改めて実力を見せつけた。
 
19 レオナルド・ボヌッチ 5.5
ダーティーなD・コスタとどつき合いの肉弾戦を展開し、45分にイエローカードをもぎ取る。しかし、スペインのハイプレスに苦しみ、ボール奪取後の組み立ては長短とも精度を欠いた。
 
3 アレッシオ・ロマニョーリ 6
代表デビュー戦とは思えぬ落ち着きで、ビトーロとコケをコントロール。的確な間合いとポジショニングで、ペナルティーエリア内へのラストパスをシャットアウトした。組み立ての局面で消極的に過ぎたのでマイナス0.5点としたが、出場停止キエッリーニの穴をしっかり埋めた。
 
※MAN OF THE MATCH=この試合の最優秀選手
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
[MF]
8 アレッサンドロ・フロレンツィ 6
入れ替わり立ち替わりで顔を出すシルバとイニエスタに振り回されるも、決定的なプレーを許さずどうにか食い止めるなど、右サイドの火消し役に徹する。攻撃での貢献は極小。
 
18 リッカルド・モントリーボ 6(30分OUT)
フロレンツィ、デ・ロッシと連携してスペインの攻め口だったセンターレフトのゾーンをプロテクト。S・ラモスと接触して左膝を痛め、30分にベンチに下がった。
 
16 ダニエレ・デ・ロッシ 6.5
注意深い読みと激しいフィジカルコンタクトでバイタルエリアを潰し、スペインに中央突破のスペースを与えず。82分にはPKキッカーとしてデ・ヘアの動きを見極めて、冷静にネットを揺らした。
 
21 マルコ・パローロ 5.5(75分OUT)
インサイドハーフの左でスタートし、30分のボナベントゥーラ投入後は右にスイッチ。守備では献身的に動き回って中盤のスペースを的確に埋めるも、ボールを持つとパスミスやボールロストを連発。プレー精度を出せず困難に陥った。
 
2 マッティア・デ・シリオ 6
ビトーロ、カルバハルと2対1になる場面でも冷静に対応し、左サイドからほとんどチャンスを作らせなかった。後半は積極的なオーバーラップから攻撃での貢献も。
 
[FW]
9 グラツィアーノペッレ 5.5(60分OUT)
守備ではCBからの縦パスに効果的なフィルターをかけたが、攻撃では空中戦で劣勢に立ってパスを収められず、チームの押し上げを促せなかった。60分にベンチに下げられると、指揮官との握手を拒否。
 
17 エデル 6.5
序盤から中盤で相手を追い掛け回す献身的なプレッシングを続けたにもかかわらず、終盤でも運動量を落とさず、残り10分を切ったところでPKをもぎ取る殊勲。目立たないながらも、ハードワーカーとしての貢献度は大きい。
 
[交代出場]
7 ジャコモ・ボナヴェントゥーラ 5.5(30分IN)
ミランでの主戦場と同じ左インサイドハーフに入る。守備に労力の大半を奪われたこともあり、攻撃では無難なパスに終始して局面を前に進めるプレーができず。
 
11 チーロ・インモービレ 6.5(60分IN)
裏のスペースを狙うフリーランを積極的に繰り返して敵の最終ラインに揺さぶりをかけ、攻撃を活性化して試合の流れを変えた。72分のカウンターなど二度のビッグチャンスに絡んだが、プレー選択のミスで絶対的な決定機は作り出せず。
 
23 アンドレア・ベロッティ 6(75分IN)
パローロに代わって入り、インモービレと2トップを組む。最大の武器であるフィジカルコンタクトの強さを活かして高い位置でボールを収め、終盤の攻勢に貢献。こぼれ球を拾って突破からパスを通し、エデルのPK奪取をアシストした。
 
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
【スペイン|チーム&監督 採点&寸評】
チーム 6
EURO2016での対戦では主導権を握られ完敗したが、この試合ではほぼ完全にボールを支配し、相手のミス絡みとはいえ55分には先制にも成功した。GKとほぼ1対1だった68分のチャンスをビトーロが決めていれば、終わっていた試合だっただろう。PKで同点にされてからは、苦しい状況に追い込まれた。
 
監督 ジュレン・ロペテギ 6
前指揮官デル・ボスケのチーム以上にゴールへの意欲を感じさせた。勝点3を手にすれば完璧だったが、残り10分を切った段階で守備陣のミスから同点とされてしまい、リアクションする時間はなかった。
 
【スペイン|選手採点&寸評】
[GK]
1 ダビド・デ・ヘア 6
失点はPKで責められあい。終盤こそ慌ただしかったが、90分を通してセーブ機会はほとんどなかった。
 
[DF]
2 ダニエル・カルバハル 6
チームとしてイタリアを自陣に閉じ込めることに成功していたため、多くの時間帯で高い位置を取る。ビトーロとのコンビで右サイドから仕掛け、何度かラストパスを供給した。
 
3 ジェラール・ピケ 6
特別多くの仕事があった試合ではない。69分のセットプレーでは、ロマニョーリにしっかり身体を当てて芯をとらえるヘディングをさせなかった。
 
15 セルヒオ・ラモス 5
微妙な判定だったが80分のエデルを倒してPKを献上したシーン、前半ロスタイムのパスミスなどに象徴される不用意なプレーが、ここ最近の所属のR・マドリーの試合でも目立っている。
 
18 ジョルディ・アルバ −(22分OUT)
50キャップの節目の試合だったが、右足の筋負傷のため早々にナチョと交代。代表での負傷はこれで4度目と、ロペテギだけでなくルイス・エンリケにとっても頭が痛い。
 
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
[MF]
8 コケ 6
中盤の潤滑油として機能。味方がいて欲しい場所にしっかりとポジショニングを取り、ワンタッチ、ツータッチでボールを回すスペインのリズムを作り出していた。
 
5 セルヒオ・ブスケッツ 6
警告にはなったが前を向いたペッレを止めた27分のプレーをはじめ、イタリアの攻撃の芽をしっかりと摘み取った。また、攻撃ではブッフォンのミスを誘ったビトーロへのスルーパスで先制点を演出する。
 
6 アンドレス・イニエスタ 6
11分のシルバとのコンビプレーは、イタリアDFを鮮やかに交わしてからの力ないフィニッシュまでを含めて、実にイニエスタらしいプレーだった。時間の経過とともに存在は薄れていった。
 
[FW]
11 ビトーロ  6.5(84分OUT)
その突破力で敵最終ラインを下げさせ、生まれたスペースにコケやシルバが侵入。55分にはブッフォンのミスを突いて代表2点目を決め、67分にも試合を決めうる決定機を掴んでいた
 
19 ジエゴ・コスタ  5.5(67分OUT)
ポストプレーや裏への抜け出しでチャンスメイクし、フィニッシュにも絡むという1トップとして果たすべき責務を遂行。ただ、ゴールという一番大事な結果が唯一足りず、フラストレーションの限界がきたところでベンチに下げられる。
 
21 ダビド・シルバ 6.5
左サイドを起点に中央や右にも頻繁に侵入。小気味良いステップやコンビプレーから簡単にイタリア守備網をすり抜け、好機を演出し続けた。
 
[交代出場]
4 ナチョ 6(22分IN)
R・マドリーで出場数が少ないことから招集を疑問視する声もあったが、急遽担った本職でない左SBで攻守ともにしっかり役目を果たした。
 
7 アルバロ・モラタ 5.5(67分IN)
昨シーズンまでのホームに戻った元ユベントスFWは、登場時にスタンドから大きな拍手が送られた。チームメートのサポートがなく孤立がちだったが、身体の強さを活かした突破を試みる。
 
10 チアゴ・アルカンタラ −(84分IN)
同点とされた後にビトーロに代わって入るも、時間があまりに短く際立ったプレーはなし。
 
文:片野道郎(イタリア)、山本孔一(スペイン)
 
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。