私は、先月、幸運なことにマンチェスター・C、バルセロナ、インテルのホームゲームを観戦することができた。
 
 この3つのクラブはヨーロッパのサッカーシーンにおいて知らぬ人はいないほどに有名なチームだ。そして彼らは、現在それぞれ違う境遇にある。ファンの態度からもそれは見分けることができた。
 
 マンチェスター・Cは今、歴史的な発展を遂げているチームだ。
 
 2008年にオイルマネーの力を手にしてから彼らは11-12シーズンに44年ぶりのリーグ制覇を成し遂げるなど、毎シーズンのように好成績を残してきた。一方でチャンピオンズ・リーグ(CL)での成功とは無縁だった。
 
 しかし、今シーズン、バルセロナでCL制覇を経験しているジョゼップ・グアルディオラが就任したことで、ファンは「世界最高の監督がいることが他クラブとの大きな差になる」と手応えを感じているようだ。
 
 ケビン・デ・ブルイネやラヒーム・スターリングといった若手たちが、グアルディオラの下でどれだけ成長していくのかはファンならずとも興味深いところだ。
 
 デ・ブルイネが「ペップのサッカーは僕がやりたかったサッカー」とこぼしたことからも分かるように選手たちも野心的で、ハングリーな状態になっている。こうしたこともファンがグアルディオラの作り出すチームへ期待を寄せる理由だろう。
 
 
 ここ2、3年のバルセロナは欧州で常に上位争いを繰り広げ、他クラブを凌駕してきた。
 
 私は9月13日に行なわれたCLのセルティック戦を見た。彼らは全てのことが分かっているかのようなサッカーを展開し、7-0で大勝したのだ。
 
 この試合は3日前のリーガ・エスパニョーラ3節で格下のアラベスにまさかの敗戦を喫したショックから立ち直るには、十分すぎるほどのゲームとなった。
 
 バルセロナのファンは常に自信に満ち溢れているようで、カンプ・ノウは特別大騒ぎというような状態になく、むしろ冷静に試合を眺めていた。
 
 バルセロナはリオネル・メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの“個”に依存しているように見えた。彼らは開始早々からボールに触れる機会が多かった。
 
 しかし、それも仕方のないことだ。彼らはのびのびとプレーし、インスピレーションを見せつけたのだ。セルティック戦においても2、3度別格のプレーを見せていた。
 
 
 インテルは9月18日にホームでユベントスと対戦した。この“イタリア・ダービー”はその名の通り、イタリアでも最大級のライバルマッチのひとつだ。
 
 インテルはマンチェスター・C、バルセロナとは異なった状況にあり、彼らに比べれば、負け犬のレッテルを貼られていた印象が強い。
 
 イタリア・ダービーにおいても、サン・シーロの空気は張りつめて、重苦しく、私はホームのファンが絶対王者ユベントスからの勝利を信じていないと感じた。
 
 それからユベントスファンの多さにも驚かされた。あそこまでのアウェーチームのファンの数は、イングランドでは見られない光景だった。
 
 試合は、ユベントスが66分にシュテファン・リヒトシュタイナーのゴールで先制するも、インテルが68分にマウロ・イカルディの一撃で同点とし、78分にイバン・ペリシッチが逆転弾を決めて、2-1で勝利した。
 
 勝利を告げる笛が鳴った瞬間のインテリスタ(インテルのファン)たちの爆発的な叫び声は、耳をつんざくほどにけたたましく、試合前の重苦しさが嘘のように解放感に満ち溢れていた。
 
 その解放感と声援はマンチェスター・Cやバルセロナよりも大きく、インテルにはまだ希望があることをファンが感じさせてくれるものであった。
 
文:スティーブ・マッケンジー