ハリルジャパンにとっては、不吉なデータである。日本は、過去2大会のワールドカップ・アジア最終予選で、オーストラリアに一度も勝ったことがない(3分1敗)のだ。グループ最大のライバルであり、“天敵”とも言える相手から勝利を奪うのは、簡単なミッションではない。
 
 オーストラリアはここまでの最終予選3試合で5得点を挙げている。その内訳はサイド攻撃からが3、セットプレーからが2。身長180センチ以上の選手がズラリと揃いながら、足もとも上手く使ってくる印象だが、それでも日本からすれば、やはりセットプレーは警戒しなければならない。
 
 日本はホームで敗れたUAE戦に続き、イラク戦でもセットプレーで失点。酒井高徳がサード・アブドゥルアミールに前に入られ、ヘディングシュートを許してしまった。吉田麻也は「誰がマークに付いていたから悪いというわけじゃない」とかばったが、マンマークで対応している以上、「セットプレーの失点は個々の責任」(酒井高)だけに、まずはそれぞれの局面で負けないことが求められる。
 
 また、イラク戦の失点場面に関しては、セットプレーの前に柏木陽介に代えて山口蛍を投入する準備をしており、ベンチが慌ただしくなっていた。「誰が交代するのか」など、ピッチ内の選手は少なからず集中力を欠いたと言わざるを得ない。ただ、これを“エクスキューズ”で解決してしまっては、オーストラリア戦で痛い目を見るだろう。
 
 CBの吉田と森重真人はイラク戦後、オーストラリアとの一戦について次のように語っている。
 
「オーストラリアはイラク以上に空中戦やセットプレーを武器としてくると思う。(日本は)高い選手が少ない分、セットプレーを与える数を減らしていかないといけない」(吉田)
 
「一人ひとりが『自分のマークにはやられない』という責任感のもとやらないといけないし、チーム全体としてもセットプレーで集中する雰囲気を作ることが大事。そのふたつをしっかりやっていれば問題ない」(森重)
 
 セットプレーを与えないこと、セットプレーを制することが、勝利への“近道”となるはずだ。
 
▼過去2大会のワールドカップ最終予選・オーストラリア戦の結果
(年)   (スコア)   (得点者)
2009年2月 △0−0(H) 
2009年6月 ●1−2(A) 田中マルクス闘莉王
2012年6月 △1−1(A) 栗原勇三
2013年6月 △1−1(H) 本田圭佑(PK)
※オーストラリアは06年に「オセアニア」(OFC)から「アジア」(AFC)に転籍
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)

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