本選出場を逃したEURO2016の予選終盤から指揮を執るダニー・ブリント監督の下、チーム再建を図ってきたオランダ代表。徐々に世代交代を進めつつ組織の再構築を図り、迎えた2018年ワールドカップ欧州予選、初戦こそスウェーデンに引き分けたものの(1−1)、続く10月7日のベラルーシ戦で非常にポジティブな印象を残した。

 4−1と快勝したこの試合で、とりわけ大きな可能性を感じさせたのがフィンセント・ヤンセン。15−16シーズンのエールディビジ得点王に輝き、今夏にAZアルクマールからトッテナムへのステップアップ移籍を果たした新鋭CFだ。

 際立ったのが安定したポストワークだ。抜群のキープ力を駆使して全体が押し上げる時間を作るのみならず、チームの新たな攻撃の形となりつつあるワンツーを駆使した中央突破の基準点として機能。前を向いてボールを受ければ果敢にシュートを放つなど、バス・ドストと交代する83分まで、相手守備陣の脅威となり続けた。

 圧巻は後半のふたつのゴールシーン。まずは56分、ペナルティーエリア外側でもたつく敵DFのボールをかっさらったクインシー・プロメスからパスを受けると、振り向いて一呼吸置き、左足を素早く振り抜く。シュートはポストに弾かれたものの、こぼれ球を押し込んだダフィ・クラーセンのゴールをお膳立てする格好となった。

 2点リードで迎えた後半の開始早々に失点し、ミスが目立つようになるなど、オランダ・イレブンはどこか落ち着きを失っていた。そうした嫌な流れを一掃する、文字通りのビッグプレーだった。

 さらにその8分後、センターサークル付近でボールを奪うと、みずから持ち込んでペナルティーエリア手前で左足を一閃。ゴール右隅へと突き刺し、試合を決定付けた。

 パワーと嗅覚を併せ持つそのプレースタイル、21歳でトップリーグデビューとやや遅咲きのキャリアから、ルート・ファン・ニステルローイとよく比較されるヤンセン。現在22歳のこの本格派CFには、その偉大な先達の正統後継者として、並々ならぬ期待が寄せられている。

 ロビン・ファン・ペルシやアリエン・ロッベンは、チームにとってもはや重要な存在ではなくなりつつある。進境著しいヤンセンが、復権を期すオランダの新たな牽引車となっても不思議はない。