ロシア・ワールドカップのアジア最終予選では同組にならなかったが、韓国の記者リュ・チョン氏は今の日本代表をどう見ているのか。9月シリーズを終えた後の見解とはいえ、傾聴に値するものだ。
 
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 ハリルホジッチ監督になって、日本はそれまでの長所だった中盤の構成力は低下したが、無駄なパス回しが減り、直接的にゴールを狙う能力が高まったのではないか。ポゼッションにこだわらず、貪欲にゴールを目指すようになった。言うなれば、これまでのスタイルに固執せず、実利的なサッカーに変貌しつつあるという印象だ。
 
  ただ、守備はスタイルの変化に追い付いておらず、逆襲に対して脆さを見せる。チーム全体が流れるようにゴールに向かって行くが、その流れを遮断されてしまうとカウンターを食らう危険に晒される。
 
 UAE戦では、まさにその問題が露呈された。バルサのような?ティキタカ?ではなく、サイドからのクロスで果敢に崩そうとした姿勢は効果的だった。ただ、不運な面もあったとはいえ、カウンターへの対処の未熟さが日本の敗因だったのではないか。
 
 もっとも、この弱点を改善できれば、日本はより強いチームになる。それにハリルホジッチ監督は、教育者ではない。彼は闘士だ。修辞的な技巧やボール支配率の数字には目もくれず、勝利だけを重んじる。そんな彼の下で日本はより現実的な、つまり結果を追求し、それをきっちり掴み取る、リアリティのあるチームになっていくのではないか。
 
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著者プロフィール
リュ・チョン(『FOOTBALLIST』)
サッカー専門ニュースサイト『FOOTBALLIST』取材チーム長。81年7 月5日ソウル生まれ。韓国外国語大卒。専門誌『FourFourTwo KOREA』 編集部を経て、13年より同サイトの取材チームのトップとして活躍中。
 
翻訳:慎 武宏(スポーツライター)
シン・ムグァン/1971年、東京都生まれ。韓国サッカー取材歴20年。近著に歴代コリアンJリーガーへのインタビュー集『イルボン(日本)はライバルか 韓国人Jリーガー28人の本音』(ピッチコミュニケーションズ)。