オーストラリア代表のティム・ケイヒルに、日本は何度も痛い目にあわされてきた。ゴール前で抜群の勝負強さを誇るこのFWに、過去のワールドカップやアジア最終予選で重要なゴールを決められてきた苦い思い出がある。
 
 10月11日の試合では切り札としての起用が濃厚なケイヒルは、日本戦で「8戦5発」と圧巻の得点率を誇る。いくら出場時間が短くても、最大の注意を払うべき選手である。
 
 誰もが認める“日本キラー”は脅威の存在だ。そこにいるだけで苦手意識を感じてしまう選手がいてもおかしくはない。
 
 一方で、そういったイメージを持たない選手もいる。
 
「やられていると言われても、そこまで俺は試合に出ていないし、イメージがあまりない」
 
 ボランチでの出場が有力視されている山口蛍は、ケイヒル対策を聞かれて、こう答えた。当然ながら、映像を使ったスカウティングなどで相手の特徴は掴んでいるはずだが、イメージがないということは、つまりフラットな状態で立ち向かえるのではないだろうか。
 
 余計な先入観なく、戦えるのは悪いことではない。無駄に力が入りすぎずに試合に臨み、持ち前の球際の強さでボールを奪い取り、エアバトルを制す。イラク戦で豪快なミドルを決めてヒーローとなった男は、今度は自慢の守備力でも大きな仕事を果たしたい。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 
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