[ルヴァンカップ・準決勝第2戦]横浜 1-1 G大阪/10月9日/日産ス
 
 「ようやくって感じですね」
 
 ルヴァンカップ・準決勝第2戦の横浜戦後、藤本淳吾は安堵の表情を浮かべた。
 
 1点ビハインドで迎えた64分、G大阪に同点ゴールが生まれた。決めたのは遠藤保仁。アウェイゴール方式のルールにより、このゴールで優位に立ったG大阪は、粘り強い守備で横浜に追加点を許さず、ルヴァンカップ決勝進出を決めた。
 
 そして、キャプテンの値千金の同点弾をお膳立てしたのが、藤本だった。
 
「スペースがあるのは分かっていたし、中でヤットさん(遠藤)とかがフリーなのも見えていたので、打つか打たないか迷いましたね。でも、自分の右足よりも(中に合わせた方が)確率が高いので」
 
 そうアシストを振り返った藤本だが、ここまでの道のりは非常に長かった。
 
 というのも、今季、横浜から鳴り物入りでG大阪に加入した藤本は、新たな攻撃の核として期待されていた。しかしこの試合まで、公式戦で0得点・0アシスト。怪我の影響などもあり、プレー時間は限られていたとはいえ、出場しても周囲を納得させるどころか、自身もまったく満足できない結果だった。
 
 さらに、J1リーグの第2ステージ・14節の浦和戦では、1点を追う展開のなか途中出場するも、流れを変えることはできず。結果0-4の敗戦を味わった。
 
 「数字が残っていないことは、気になっていたか」という記者の問いかけには、「相当(気になっていた)。(長谷川)健太さんにもずっと言われ続けていた」と心中を打ち明ける。
 
 ただ、それでも清水時代の恩師でもある長谷川監督からの信頼は揺るがない。
 
 横浜とのルヴァンカップ・準決勝の2試合では、先発に抜擢。監督の信頼に応えるように、第2戦目で、ようやく「1」アシストを決めたのだ。
 
「レッズ戦であれだけボコボコにやられて、また監督がチャンスくれたので、なんとかしたかったし、やっぱり嬉しいです。練習でも監督はしっかり声をかけてくれるし、結果を残せていないなかでも、監督に使ってもらっていた。だからこそ出た時は(結果を残そう)と、ずっと思っていた」
 ?初仕事″に喜びをこぼした藤本は、すぐに次の決勝に切り替える。
 
「次は(決勝戦で)、ボコボコにやられたレッズとまたできる。借りを返すというわけじゃないですけど、強い気持ちを持ってやりたいと思います」
 
 藤本の反撃は始まったばかり。もちろん本人も満足するわけはない。
 
「まだ点を決めてないので」
 
 浦和との決勝戦で、もうひとつの「1」を残すまでは――。
 
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)