[ルヴァンカップ準決勝・第2戦]浦和 3-1 FC東京/10月9日/埼玉スタジアム2002
 
 浦和が決勝へ駒を進めたルヴァンカップ準決勝・第2戦のFC東京戦で、遠藤航は?中盤″で躍動した。

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 10月5日の第1戦ではCBとしてプレー。この日も最終ラインに入るかと思いきや、ペトロヴィッチ監督から言い渡されたのはボランチだった。
 
「今回ポジションが変わるというのは、結構早めに言われていたんです。前回の試合が終わって次の日か、その次の日くらいか。実はアウェー(第1戦)でも(ボランチで)いくかもしれなかったので、プレーするイメージはできていた」
 
 ポジション変更の舞台裏をこう明かしてくれた遠藤は、試合序盤から好判断が光るプレーを連発する。ビルドアップ時には、最終ラインまで下がり味方とのパス交換からゲームを構築。的確な読みとポジション取りで再三ボールを奪い取り、チャンスと見れば高い位置までドリブルで侵入し攻撃にも加わった。
 
「守備から入ることは意識していて、僕と青木くんで自分にできることをやっていこうという話をしていた中で、シンプルにボールを受けて、叩いたり、ボランチとして自分の良さは出せたかなと思います」
 
 攻守ともほぼ狙い通りの試合運びを見せたチームにおいて、自らのパフォーマンスに充実感を覚えていたのはこの言葉からも察せられる。もっとも、本人はボランチでのプレーに「正直、良いイメージは持てていない」という。
 
 豊富な運動量や球際で激しくチャレンジするプレーを持ち味とする遠藤は、どちらかと言えば、守備を専門とするプレイヤーだ。おそらく、前線にパスを捌き攻撃の構築も担わなければならないボランチよりも、CBのほうがしっくりくると感じているのだろう。
 
 しかし、そんな考えを改めるんじゃないかと思ったほど、中盤でのフィット感は強く印象に残った。なにせ、相手(9本)の倍以上となる21本のシュートを見舞った浦和の攻撃陣に次々とパスを供給していたのは、?ボランチ″の遠藤だったのだ。
「浦和の良さは前に人数がいるところ。そういう意味ではボランチでプレーしていてやりやすさは感じました。(興梠)慎三さんだったり、武藤くん、(高木)俊くんをシンプルに見れば、自ずとパスが出せる」
 
 まるで、「前線の3人のおかげです」と言わんばかりだが、この日ハットトリックの活躍を見せた興梠との連係にも、手ごたえを掴んだようだ。
 
「動き出しのタイミングは、慎三さんが主導というよりは、自分が出したいタイミングで動いてくれるみたいなところがある。そこは慎三さんがすごく気を遣ってくれている。自分もタイミングさえ合えばパスを出せるし、それに、(ボールを)収める力が慎三さんにはある。そのあたりは慎三さんの一番の良さなのかと思います」
 
 湘南から浦和へ移籍して1年目のシーズン。以前にも増してボランチでのプレーに手応えを掴んでいるであろう遠藤にとって、待望の初タイトル獲得へあと一歩というところまでたどり着いた。15日に行なわれるG大阪との決勝戦に話を向けられると、自然と熱い思いがこぼれた。
 
「ここ(浦和)に来てタイトルを取りたいという話をしてきた中で、そのチャンスが訪れようとしている。必ず獲りたいし、ここでタイトルを獲ればチームとしても波に乗れる。でも、普段どおり、自分の良さを出してやりたいです」
 
 あくまで冷静に立ち振る舞いながら、遠藤は未だ見ぬ高みを目指す。
 
 
取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)