[ロシアワールドカップ・アジア最終予選]オーストラリア 1-1 日本/10月11日/豪・メルボルン
 
 ホームのイラク戦で出番のなかった香川真司が、オーストラリア戦でスタメンに“復帰”。「アウェーで守備的な戦いになった」(本田圭佑)なかで、トップ下としての働きぶりはどうだったのか。
 
 ひと言で表わすなら、この日の香川は「ファーストディフェンダー」だった。
 
 守備時は本田と同じラインまで上がって2トップ気味になり、ボールホルダーへのプレスに奔走。さらに、インサイドハーフのアーロン・ムーイをケアし、オーストラリアの攻撃をスローダウンさせた。立ち上がりから飛ばしたゆえ、後半は運動量が落ちたが、それでもセカンドボールを拾おうとする姿が目に付いたのも、献身的に守備をこなしてスペースを埋めていた結果である。
 
 もっとも、本職の攻撃面に関しては、実力の半分も出し切れていなかったのではないか。試合を通してのプレー回数は27回(前半15回/後半12回)で、9月のUAE戦(44回:前半25回/後半19回)から「4割減」。プレーエリアもアタッキングサードが4回、ミドルサードが19回、ディフェンシブサードが4回と全体的に低く、良く見積もっても守備7:攻撃3の割合。チームの守備的な戦術の影響をもろに受けてしまった。
 
 チャンスもほとんどが本田と原口で作り出したもので、香川はマイル・ジェディナクを背負ってのプレーが多く、自らシュートを放つ場面はゼロ。「キーになる」と話していたカウンターにも効果的に絡めなかった。そのなかで、ポジティブな要素を見出すとすれば、中央に固執せず、サイドへ流れる形が多く見られたことか。
 
 香川は戦前、「幅と距離感をミックスさせながらボールを回せるか」を課題に挙げていた。これまで中央にステイする時間が長く、パスコースが限定されるシーンが多かった。しかし、オーストラリア戦では左サイドで原口や槙野智章と頻繁にパス交換。この2選手が、パスを出した相手・パスを受けた相手の上位になっているのも、左サイドを中心に、ある程度“幅”を使ってプレーできた成果と言っていいだろう。
 81分以降は清武弘嗣と同時にプレーしたが、終盤は押し込まれる時間帯が続き、パス交換はなし。“共存”に関しては、次回以降にお預けとなった。
 
 良く言えば、チームの戦術に沿ったプレーを展開したとはいえ、オーストラリア戦の出来では「なぜ香川ではなく、清武を使わなかったのか?」という声が上がっても不思議はない。「トップ下・香川」の復権には、まだまだ時間がかかりそうだ。

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【香川のプレーデータ】※以下、( )は前半/後半の回数。データは編集部集計
出場時間:90分
プレー回数:27回(15回/12回)
→アタッキングサード 4回(3回/1回)
→ミドルサード 19回(9回/10回)
→ディフェンシブサード 4回(1回/3回)
 
パス数:19回(11回/9回)
パス成功数:17回(9回/9回)
パス成功率:89.5%(81.8%/100%)
 
シュート数:0回(0回/0回)
ボールロスト:5回(3回/2回)
 
▼香川がパスを出した回数(選手)ランキング
1位/原口元気/6回(2回/4回)
2位/長谷部誠/3回(2回/1回)
         槙野智章/3回(2回/1回)
4位/森重真人/2回(0回/2回)
5位/本田圭佑/1回(1回/0回)
         小林 悠/1回(1回/0回)
     酒井高徳/1回(1回/0回)
 
▼香川がパスを受けた回数(選手)ランキング
1位/槙野智章/5回(5回/0回)
2位/原口元気/3回(2回/1回)
         山口 蛍/3回(0回/3回)
     長谷部誠/3回(1回/2回)
5位/本田圭佑/2回(1回/1回)
6位/小林 悠/1回(1回/0回)
         森重真人/1回(1回/0回)