[ルヴァンカップ決勝]
G大阪 1(4PK5)1 浦和
2016年10月15日/埼玉スタジアム2016

 10月15日のルヴァンカップ優勝を受けて、浦和のペトロヴィッチ監督の来季続投が決定的となった。正式に決まれば2017年は就任6年目で、自身が記録していた浦和での指揮年数の史上最長を更新する。
 
 ペトロヴィッチ監督は今季まで複数年契約を結んでいたと言われる。そのなかでノルマであった主要タイトルの獲得を果たし、しかも遠藤航、駒井善成、高木俊幸ら若い戦力に組み入れ、戦力の活性化や世代交代にも着手し出している。
 
 クラブ首脳も時間をかけるごとに成熟する“ミシャスタイル”を評価。今後、契約の細部を詰めるものと見られる。
 
 また、早い段階で指揮官の来季去就を決めることで、冬の移籍マーケットでも浦和が主導権を握りたいという思惑に加え、他クラブとの駆け引きもある。2018年にはパフォーム社の参入による放映権料の増額に伴い、優勝賞金が大幅にアップする。浦和としては、「来季リーグ優勝→増額の賞金獲得」を狙いたいところ。
 
 そこで先手を打ち、来季を見据え、新たに戦力補強をする可能性もある。これから本格的に動き出す移籍マーケットで、主導権を握る意味でも、ペトロヴィッチ監督の来季続投の「正式発表」が早い段階でされそうだ。
 
 ペトロヴィッチ監督は、ルヴァンカップ決勝戦のあとの記者会見で、次のように意味深(?)な発言をしていた。
 
「仮に浦和でタイトルが取れず、解任されたとしよう。ただ、私は必ず仕事がもらえる監督だと自負している。鳥取、福岡……私はどこに行っても、必ず良いチームを作る自信があります」
 
 ただ、指揮官は「鳥取」の名前を挙げたことについて、次のように改めて説明していた。
 
 「なぜ鳥取か? 浦和のレジェンドである岡野(雅行)さんがゼネラルマネジャーをしているので、私の仕事がなくなったら、彼がオファーをくれるかもしれないと思っています。

 サッカーを愛し、楽しむ気持ちが私たちにはある。それがなければサッカーではないですから」

 ペトロヴィッチ監督は次のように続けた。
「日本代表チームは、今、非常に難しい状態でメディアで叩かれていますが、ネガティブなものがチームを取り巻くと、成功を掴むのは難しくなります。みんなが応援するような雰囲気を作ることが成功につながる。サッカーを愛する気持ちと全員がひとつの方向に向かっていくことが、非常に大事ではないかと思う」
 
 ペトロヴィッチ監督は06年6月に来日し、広島の監督に就任。模索するなかで全員攻撃・全員守備を具現化する独自の3-4-2-1システムを採用し、日本人選手の特長を引き出すことに成功。12年には浦和の監督に就任。今季5年目を迎え、このルヴァンカップで自身初のJリーグ主要タイトルを獲得した。

 一方では、長期政権の弊害もある点を、クラブは対策を立てたいところ。

 とはいえ期待も大きい。浦和でのミシャスタイルがどのように進化していくのか。リーグ優勝を見据える今季これからはもちろん、来季にも注目が集まる。
 
 取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)