[ルヴァン杯決勝] G大阪1(4PK5)1 浦和/10月15日/埼玉スタジアム2002

 タイトル獲得の立役者になった西川は、PK戦が始まる前から決めていた。「絶対に1本は真ん中に来る」。そのチャンスを逃さずに、中央にステイすることを。
 
「蹴られたボールに対していこうと思っていた。多少反応が遅れても、その後のキッカーに対してプレッシャーを与えられると思っていたから」
 
 その言葉通り、西川は1本目の藤本のキックに対して読みでは動いていない。続く2人目の今野との対決では、左に飛んで中央に沈められたが、そこで、さらに決意が固まった。
 
「PK戦は本当に先を少しイメージしながら、先のキッカーにプレッシャーを与える感じでやっていました。今野選手が真ん中に打ってきた時点で、次からは真ん中を動かないと決めたので、自分を信じて良かったと思います」
 
 3人目の丹羽に右隅に決められ、迎えた4人目は呉屋。相手のキッカーがルーキーだったことも、西川の計算には入っていた。
 
「呉屋選手は途中から入ってきて緊張しているような雰囲気でしたし、そういう時は真ん中に来やすいと思っていたので。それはオーストラリアでの経験が生きました」
 
 極度の緊張感に襲われているだろう呉屋の心境、そして日本代表のオーストラリア戦でジェディナクに中央にPKを沈められた経験が、西川に大きな決断をさせた。どっしりと中央から動かずに、コースが甘くなった呉屋のシュートを右足一本でストップしたのだ。
 
「向こうのイメージ的にも西川はサイドに飛ぶっていう風に情報が入っていたかもしれない。今までの自分がそうだったので、しっかり真ん中をケアすることで、これからのPKにまたひとつデータが増えてプレッシャーになると思う。動かないのは勇気がいりますけど、こうやって結果が出たことで次のPKに対して挑みやすくなる」
 
 西川のビッグセーブは、クラブに13年ぶりのリーグカップ戦のタイトルをもたらした。同時に、今後訪れるかもしれないPKシーンへの強烈な布石にもなったようだ。