97、98年生まれの選手たちを軸に構成されているU-19代表チームにおいて、99年5月10日生まれの中村駿太(柏U-18)は、いわゆる?飛び級招集組″だ。

【U-19アジア選手権 日本3−0イエメン】小川、岩崎、原のゴールで初戦を飾る
 
 170センチ・66キロと小柄だが、重心の低いドリブルとその類稀な得点センスで柏U-18では圧倒的な存在感を放ち、高円宮杯U-18プレミアリーグでは得点ランク2位の8得点を奪っている。プレースタイルや坊主頭から連想できるように、元ブラジル代表の怪物FWロナウドを意識しているという中村だが、現代表での序列はFWの4番手。グループリーグ初戦のイエメン戦では、ベンチで戦況を見守った。
 
「チームが良い準備をしていても上手くいかない。アジアの戦いの厳しさが分かった」
 
 日の丸のユニホームを纏い、世界大会への切符を懸けて戦うチームメイトたちの姿をピッチの脇から眺めて、中村はこう感じたという。独特の緊張感から動きが硬く、思うような攻撃を仕掛けられないチームの様子は、ある意味「異様」に映ったのだろう。
 
 しかし後半早々の47分、FW小川航基(磐田)の先制点により流れは一変し、果敢にゴールへ迫った日本は3-0でイエメンに勝利。ここぞで結果を残した小川の働きぶりに対して、中村は同じFWとして感嘆するしかなかった。
 
「やっぱりエースだなという感じでした。正直、航基くんも前半はそこまで良くなくて、窮屈そうにプレーしていたところはあったんですけど、それでもチャンスをしっかり決め切るのは凄い」
 
 中村にとって、日々のトレーニングから、ゴールへの意識の高さ、シュート技術の巧さを見せる小川は大きい存在なのだ。しかし、だからと言ってチャンスを諦めているわけではない。
 
「中東の独特な雰囲気もそこまで気にならない。チャンスをくれっていう感じで準備をしているだけです」
 
 そんな中村に、第2戦のイラン戦では出番が訪れるかもしれない。前日練習では小川と主力組の2トップを組んだ。果敢に相手の背後を突くなど、鋭い動きを繰り返した。

 もちろん、先発でピッチに立てる保証はないが、この17歳のストライカーが持つポテンシャルに懸けてみても決して損はないだろう。
 
取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)