出足こそ順風満帆だった清武弘嗣のリーガ・エスパニョーラ挑戦は、ここにきて暗雲が垂れ込めている。
 
 今夏にハノーファーから640万ユーロ(約7億8000万円)でセビージャに移籍した清武は、怪我でプレシーズンに出遅れながら、ホルヘ・サンパオリ新監督の信頼を掴んで開幕スタメンに指名される。そのエスパニョールとの試合では、1ゴール・1アシストの大活躍を演じた。
 
 しかし、移籍市場最終日にマンチェスター・Cから加入したサミア・ナスリらがチームに馴染むにつれて、出番が激減。Aマッチウィーク終了後では最初の試合だった10月15日のレガネス戦を含めて、ここ最近は公式戦5試合連続で出番なし(うち招集外が2試合)に終わっている。
 
 これを受けてスペインの『マルカ』紙は、「ブンデスリーガは清武を忘れていない」という見出しの記事を掲載。かつて所属したニュルンベルクとハノーファーでは117試合で17得点・30アシストとブンデスリーガで実績十分の日本人MFに対して、シャルケとヴォルフスブルクが興味を示し、今冬の獲得を目論んでいると報じた。
 
 セビージャは試合ごとにシステムとスタメンが変わるなど、サンパオリ監督はいまだ試行錯誤を続けており、5試合連続で出番なしとはいえ、清武が完全に指揮官の信頼を失ったとは言い切れない。
 
 とはいえ、今夏のセビージャは中盤から前の選手を大量補強しており、天才ナスリをはじめ、レフティーの技巧派フランコ・バスケス、スペイン代表にも定着したビトーロ、ドリブラータイプのパブロ・サラビアとホアキン・コレア、超絶パサーのガンソなどライバルはまさに多士済々。ポジションを奪い返すには、大きなアピールが必要なのは明らかだ。
 
 さらに、敏腕スポーツディレクターのモンチが率いるセビージャは、リーガ・エスパニョーラの中でも極めて選手売買が多いクラブとして有名。現在のような状況が続けば、清武に対するブンデスリーガからのオファーを検討する可能性は十分にある。
 
 例えば昨シーズンも、夏に新エース候補としてドルトムントから迎えられたチーロ・インモービレが、わずか半年で見切られて冬にトリノへレンタル放出された後、今夏にはラツィオに完全移籍で売却されている。余剰戦力に関する対応はかなり冷酷かつ迅速だ。
 
 はたして清武は、セビージャで移籍の噂をかき消すような活躍を再び見せられるのか。注目が集まる。