今夏のインターハイでは、3連覇という前人未到の偉業に挑んだが、初戦で昌平高を相手に2-3の敗戦を喫し、涙を飲んだ。屈辱の初戦敗退から2か月余り。前回選手権王者・東福岡の地区予選初戦が10月22日(誠修戦)に迫っている。
 
 インターハイ3連覇こそならなかったが、いまだ選手権連覇という大きな目標が残っている。このチャレンジに向けて東福岡はどんな準備をしてきたのか。森重潤也監督に話を聞いた。
 
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――インターハイ以降、何をポイントにチーム作りを進めてきたのでしょうか?
 
 優勝した昨年度は、中村健人や三宅海斗、餅山大輝、橋本和征といった3年生がすごくいい状態にあって、力を発揮していた。今年夏の時点では、決定力、得点を奪い切る力はまだまだ昨年度のチームに比べて及んでいない印象です。だからこそ、一人ひとりの力をもっと上げないといけないですし、そこを重点的にやってきました。
 
――インターハイでの負けは、どこかで「3連覇が懸かっている」であるとか「昨年のメンバーが多く残っている」という目で見られて、相当なプレッシャーがあったと思います。しかも初戦と言うことで、いろんな面で難しさがあったのではないでしょうか?
 
 現実として、敗因のひとつには挙げられるかもしれませんが、僕が感じているのは大会へのパワーの持っていき方が足りなかったと思います。試合も全体的にアグレッシブさがなかった。せっかく先に1点を取って、いいスタートを切れたにもかかわらず、そこからなにもなくなってしまった。畳み掛ける力がありませんでした。
 
――インターハイ後は、選手権連覇という大きな目標が見えてきますね。
 
 まずはプレミア後期に向けてやるべきことを意識してきました(15節終了時でWEST4位)。インターハイでの反省を踏まえて、あまり先を見すぎないように目の前のことに集中してきた。まずは「自分たちには力がない」という前提で、インターハイ後の夏休みを過ごして来ました。
 
 そこで怪我人などが復帰して来て、全体を見渡して、フラットな目で見て、プレミア後期のメンバーをエントリーしました。全国に出るためにプレミアを1試合1試合しっかりと戦って、総合的に選手層の厚さを加えて、全体がきっちり噛み合うチームにしたいと思っています。
 
――プレミアリーグでは1年生を含め、かなり新戦力を試されていましたね。
 
 はい、プレミアで後期開幕からメンバーをかなり入れ替えました。1年生もかなり入ったし、そういう意味での3年生への危機感を煽りたいと思っています。3年生がもうひとつ踏ん張る、意地を見せて奮起してほしいと思っています。
 
 やっぱり選手権で勝ち上がるためには、最後は3年生がどれだけチームを引っ張っていけるかが、いいチームになる重要なポイントです。夏以降は、3年生に何かを感じさせる時期だったと言って良いと思います。インターハイで結果が出なかったのは、3年生がチームを引っ張り切れていなかった証拠になったと思います。
 
――3年生の奮起こそ、選手権2連覇への鍵となるわけですね。
 
 今後このメンバーに変化が起こるのか。これまでのレギュラーが一度外されて、また奪還するような状況が出て来たら、面白くなると思います。離脱している主軸の怪我人が戻って来ても、すぐにレギュラーとならないように、出ている選手は頑張ってほしい。
 
 ひと夏を経て、チームは徐々に変わって来ていると思います。ただ先輩たちが残したものによって、ハードルはかなり厳しくなっている。今まで通り普通にやっていたら結果が出るという、安易なものではなくなってきた。
 
 思えば昨年は選手権で負けた時の苦しさをしっかりと体感してからのスタートだった。どこかで負けた姿を見て、次の結果を残しに行く。そのモチベーションは大きい。それが今年の市立船橋だったと思います。だからこそ、今年は夏のインターハイの敗戦をいいきっかけにしてくれればなと思っています。
 
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)