9月16日の第1戦、19日の第2戦を大勝で飾っていたU−16日本代表は22日、U−16オーストラリア代表を6−0の大差で下し、AFC U−16選手権のグループステージを“3戦大勝”で駆け抜けてみせた。


 すでに1位抜けを決めていた日本は、この試合「ここまで出したくても出せなかった選手たち」(森山佳郎監督)にチャンスを与える場として活用した。GK青木心(JFAアカデミー福島U18)が「常に自分の100パーセントを出せるように準備はしてきた。とにかく勝利にこだわりたい」と語っていたように、出番をもらった選手たちも意欲十分にこの試合へ臨んだ。


 一方、対戦相手のオーストラリアはここまでキルギス、ベトナムに敗れて、2戦2敗。アジアのライバル国とは思えぬ最悪の戦績に沈んでいた。滞在しているホテルでは不平不満を爆発させているという情報も流れており、“インド”という特殊な環境に適応できていないことが低パフォーマンスの要因になっていたことは想像に難くない(筆者のお腹も微妙に苦しんでいる)。


 日本チームはそんな心身のコンディションに(そして恐らくチームワークにも)難のあるオーストラリアを立ち上がりから圧倒する。開始早々の4分、FWに入った上月壮一郎(京都サンガF.C. U−18)が相手DFのミスを突いていきなり先制点を奪い取る。その後も波状攻撃を仕掛ける流れとなり、次から次へと決定機を量産していった。


 もっとも、ここでは「5、6回は逃した」と森山監督が頭を抱えたように、決定機でのミスが頻発。みすみす相手に主導権を譲る流れとなったが、相手の時間帯になっても守備陣が踏ん張って耐え切ることに成功。すると後半に入った54分、MF鈴木冬一(セレッソ大阪U−18)のアシストからFW宮代大聖(川崎フロンターレU−18)が決めて2点差とすると、そこからはゴールラッシュとなった。


 ボランチの瀬畠義成(JFAアカデミー福島U18)、中学生MF松本凪生(C大阪U−15)、交代出場のFW棚橋尭士(横浜F・マリノスユース)のゴールなどが次々と生まれて6得点。守っても、GK青木、DF桂陸人(サンフレッチェ広島ユース)、菅原由勢(名古屋グランパスU18)が要所で好守を見せて、ゼロ封にも成功。6−0の大勝で、グループ最終戦を飾った。


「試合に出る機会のなかったみんなが100パーセントの集中力とハードワークを見せてくれた」


 試合後、森山監督は笑顔を浮かべながらそう振り返った。明らかにチームとしての雰囲気が悪く、その空気感のままに脱落していったオーストラリアに対し、日本は「俺たちのウリは団結力」(宮代)という言葉そのままに控え組まで士気高く保っているところを見せ付けて圧勝。6−0という数字はもちろん、オーストラリアとの“差”を感じさせたチームスピリットの充実が最大の収穫となった。次なる戦いは、25日に行われるUAE(アラブ首長国連邦)との準々決勝。このゲームが世界行きの切符を懸けた決戦となる。


文=川端暁彦