ミランに明るい話題だ。2日に行われたセリエA第7節でミランはサッスオーロに4−3の見事な逆転劇を演じたのだが、この試合で若きヒーローが誕生した。18歳のマヌエル・ロカテッリだ。1998年1月生まれの彼は、この試合の59分にリッカルド・モントリーヴォに代わってピッチへ登場。昨シーズンのカルピ戦(4月21日)でデビューしてから、これがセリエA6試合目だった。そして73分、相手のクリアボールを約20メートルの位置からダイレクトボレーでたたき込む。鮮やかな同点ゴールだった。


 試合後、ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督は起用について次のように話した。「ここ3試合、モントリーヴォはいいパフォーマンスを見せていたが、このゲームでは調子が落ちていた。そこで自由な発想のできる選手が必要だと考えた」。この投入が見事に的中し、3点目につながる。ゴール後、すでに半泣き状態だったロカテッリは試合終了のホイッスルが鳴ると、目を真っ赤にしてうれし泣きしたのだった。


「今日は人生最良の日。このシーンを何度も見返すことになるだろう。サッカー少年なら必ず一度は憧れる瞬間が現実となった。このゴールは家族に捧げたい。そしてもっと自分らしさを表現していきたい」と興奮冷めやらぬ様子。ロカテッリは北イタリアのレッコ生まれで、2010年にアタランタの下部組織からミランへ移った。すでにU−19イタリア代表デビューを果たしている。そんな彼の憧れの選手は、フランチェスコ・トッティ(ローマ)と、アンドレア・ピルロ(ニューヨーク・シティ)だという。


 ミランでは若手選手の台頭が目覚ましい。その筆頭は、昨年10月にセリエAデビューを飾ったGKジャンルイジ・ドンナルンマ(17歳)だ。今では正GKとしてミランのゴールマウスを守る。また、サイドバックのダヴィデ・カラブリア(19歳)が徐々にモンテッラ監督の信頼を得つつあり、第二のパオロ・マルディーニになれる逸材と期待されている。センターバックのアレッシオ・ロマニョーリも21歳ながら、ほぼレギュラーを獲得している。


 そしてこのロカテッリはシルヴィオ・ベルルスコーニ名誉会長が「素晴らしい選手。将来が楽しみだ。いいレジスタになれるだろう」と太鼓判を押していた。アドリアーノ・ガッリアーニCEОも2018年までの契約を2020年6月末に更新したことを明かした。このまま順調に成長してイタリア代表を背負うトッププレーヤーになってほしい。


文=赤星敬子