10月に入って、気候や景観など秋を感じる場面が増えてきた京都。来週末には京都三大祭りの一つ、時代祭の開催を控えるなど、街は賑わいを見せている。サッカーでも悲願であるJ1昇格へ向けた最終局面で勢いを付けることができるかどうか。10月16日(日)に開催されるJ2リーグ第36節で、京都サンガF.C.は西京極にFC岐阜を迎え撃つ。


 前節、ジェフユナイテッド千葉とのアウェイゲームで6試合ぶりの勝利を挙げた京都。5試合連続無得点という厳しい状況を、開始2分にMF堀米勇輝が左足で振り払うと、その後も追加点を重ねていく。勝利という結果だけでなく、閉塞感のあった攻撃面で3得点を奪えたのは大きい。横パスやバックパスの回数が減り、ボールを奪えばまず「サッカーの原則であるゴールを目指すこと」(石丸清隆監督)を実行。選手個人に目を向けても、FWイ・ヨンジェの縦への推進力や、MFアンドレイとDF吉野恭平の新しい組み合わせとなるダブルボランチの出来などは終盤戦へ向けた好材料だ。


 一方で考慮すべきこともある。一つは対戦相手の千葉の出来が良くなかったこと。もう一つは相手の戦い方だ。スコアレスドローに終わった第33節・ギラヴァンツ北九州戦と第34節・ツエーゲン金沢戦。この2試合は相手が守備を重視する、時にFWの選手も自陣に下がってスペースを埋める場面が多かった。対して前節の千葉はそうではなく、簡単に言えば“普通に”戦ってくれた。開始早々の先制点により相手が攻めなければいけない展開になったこともあり、京都が“いい守備からいい攻撃へ”という好調時の戦い方に持ち込めたことが勝因に挙げられる。


 そして16日の岐阜戦。相手は守備を固める戦術を採る可能性が高く、京都は改めて『人数をかけて守る相手から、いかにゴールを奪うか』という課題に挑むことになる。下位チーム相手とはいえ、簡単な試合にはならないだろう。だが、それらを打ち破る要素が今の京都に備わっているのも事実だ。前節から起用された選手は新たな刺激をもたらしており、チームとしても結果を出したことで取り戻した自信や勢いがある。堀米は「引いた相手に対して、いかにスペースを作っていくのか。そこにチャレンジしたいし、周りにも要求していきたい」と試合のポイントを見据える。得点を奪い、連勝という目に見える形で上昇気流に乗りたい。


 対する岐阜は現在20位と、残留争いの真っただ中だ。7月末にはラモス瑠偉監督を解任。コーチだった吉田恵が監督の座を引き継いでいる。8月以降、無失点で終えた試合はゼロ。プレーオフ進出圏内に位置するファジアーノ岡山、セレッソ大阪と戦った直近の2試合でも合計8失点と、守備に大きな課題を抱えている。今節はDF阿部正紀が出場停止。さらに京都から期限付き移籍中のDF磐瀬剛も契約により出場できない。最終ラインに欠場者が相次ぐ状況を、いかにして乗り切るのか。失点をせずに試合を進めた上で、レオ ミネイロとエヴァンドロのブラジル人コンビや、昨シーズンのチーム最多得点者であるFW難波宏明を生かした攻撃を仕掛けたいところだ。


 シーズンを通して戦うリーグ戦では、様々な局面が訪れる。9月に苦しい時期が続いた京都は、前節で勝ち得た流れを残り7試合、そしてその先へとつなげなければならない。一方の岐阜も連敗を食い止めたいところ。各々が課せられた状況をクリアできるかどうか。それが問われる今節となる。


文=雨堤俊祐