白石和彌監督が「凶悪」「日本で一番悪い奴ら」の社会派作品に続き、初めてロマンポルノに挑んだ「牝猫たち」が14日、公開初日を迎え、都内の映画館で監督、キャストによる舞台あいさつが行われた。

 「日活ロマンポルノ」生誕45周年を迎えた昨年、新作制作とクラシック作品の活性化を目的としてスタートした「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」の第3弾。白石監督のオリジナル脚本で、1972年の「牝猫たちの夜」にオマージュを捧げた。

 主演は井端珠里(29)。東京・池袋の風俗店を舞台に、ネットカフェで寝起きする雅子(井端)、シングルマザーの結依(真上さつき)、主婦の里枝(美知枝)がそれぞれの悩みを抱えながら颯爽(さっそう)と現代を生き抜く姿をジャーナリスティックな視点で捉えた。

 文字通り、体当たりで撮影に臨んだ井端は、印象に残っているシーンについて「緊縛シーン」とし、「痛くて苦しくて、撮影では泣いちゃいました」と振り返った。2歳で既にキッズモデルを務めており、母親からはロマンポルノへの出演にいい顔をされなかったとした上で「子役(出身)の自分との決別の意味も込めて臨んだ作品でした。初めての主演でもあり、緊張の糸がはじけた瞬間でした」と複雑だった胸中を明かした。

 ロマンポルノ第1弾「団地妻 昼下りの情事」に主演した白川和子(69)がSMクラブのマダム役で出演。涙の緊縛シーンでは「抱きしめてもらった」という。その際、“ロマンポルノの女王”からは「これからはあなたたちの時代だから、頑張るのよ」と声を掛けてもらったそうで、「私たちがロマンポルノを引き継いでいくと思って、主演の重みを感じた瞬間でした」と話し、“継承者”としての自覚が芽生えたようだった。

 一方、相手役を務めた郭智博(32)は前貼りを初体験。「友人の生田斗真にアドバイスをもらった。そうしたら内容は一言、“ゼンゾリ”。実際、全部剃りました」と会場を笑わせると、白石監督は「剃っていたんだ。知らなかった」と返し、さらに大きな笑いの渦に包まれた。

 今作は今月末にオランダで開幕する「第46回ロッテルダム国際映画祭」に正式招待されることも発表された。