◇パ・リーグ 日本ハム5―2ソフトバンク(2016年9月22日 ヤフオクD)

 主砲の復活弾で鷹をねじ伏せた。日本ハムは22日、ソフトバンクとの首位攻防戦に連勝し、優勝へのマジックナンバーを初点灯させた。中田翔内野手(27)が1点リードの7回に貴重な右越え25号2ラン。10試合ぶりのアーチで勝利を引き寄せ、背番号と同じマジック6が点灯した。チームは5連勝で今季最多の貯金31。最大11・5ゲーム差をつけられていたソフトバンクに逆に2差をつけ、4年ぶりのリーグ制覇に大きく前進した。

 復活を告げる一撃にベンチは大騒ぎだった。栗山監督が両手を広げ、満開の笑顔で出迎える。ベンチに座ると大谷に後ろから肩をもまれ、中田はちゃめっ気たっぷりに頬を緩ませた。136試合目で優勝へのマジック6が初点灯。勝利を引き寄せたのが、1点リードの7回1死一塁から放った25号2ランだった。

 「“入ってくれ”と思って走った。ギリギリだったけど、ラッキーゾーン(テラス席)に入ってくれて良かった」。この打席、ソフトバンクの3番手・五十嵐が初球に投じた外角低めの147キロ直球を悠々と見極めると、続く甘いナックルカーブをすくい上げた。「いい形で翔平(大谷)が(右前打で)出てくれたので、何とかつなぐ気持ちだった。(五十嵐は)真っすぐが速いので、差し込まれないように逆方向を意識した」。10試合ぶりの一発は今季3本目の右翼方向へのアーチとなった。

 勝ったチームにマジックが点灯する大一番。前夜は4打席無安打で、この日も5回の第3打席まで全て見逃せばボールの変化球に手を出して凡退した。優勝争いの緊張感と敵地・ヤフオクドームの大歓声に平常心を失っていた。だが、このまま終わらないのが主砲たるゆえん。冷静に打撃を見つめ直した。「ちょっと構えた時に下半身が浮き気味だった。もっとどっしりと構えようと思った」。腰を落とすと、自然と肩の力が抜けた。だからボールをしっかり見極め、甘い球を仕留めることができた。栗山監督も「翔(中田)をずっと待っていた。打てなくて悔しい気持ちが伝わってきた。ここからやってくれたら、それでいい」と主砲の復調に安どした。

 今季ここまで打率・255、25本塁打、109打点。打点はリーグトップを独走中だが「今年は個人タイトルは本当にどうでもいい」と優勝しか見えていない。看板選手でありながら「翔平(大谷)はファイターズの顔やから」と後輩を立てることを忘れない。若手を積極的に食事に連れて行っては「オフはほんまに重要。自分と似たタイプの先輩と一緒にやるのも手やで」と自主トレの大切さを説く。グラウンド内外で「フォア・ザ・チーム」を忘れない。

 5連勝で貯金は今季最多を更新する31。6月24日時点で最大11・5ゲーム差をつけられていたソフトバンクを逆に2差と突き放した。4年前、優勝の美酒を味わった中田は言った。「まだまだ気が抜けない。一試合も無駄にできない。全て勝っていきたい」。残り7試合。主砲が打てば最高のフィナーレが待っている。 (柳原 直之)

 ≪最短優勝決定日は25日≫日本ハムがソフトバンクに連勝し優勝へのマジックナンバー6が点灯した。ソフトバンクが残り8試合を全勝すると86勝51敗6分けの勝率・628なのに対し、日本ハムが残り7試合で6勝すれば88勝52敗3分けの勝率・629と自力で上回れるため。なお、現日程での最短優勝決定日は25日で、23日の2チームの勝敗によるマジック消滅はない。

 ◆日本ハムの12年の前回Vのマジック点灯日 9月28日に2位・西武との直接対決(札幌ドーム)に5―0で勝利。シーズン139試合目にしてマジック「4」を点灯させた。試合では中田が22号2ラン、23号3ランと2本塁打。チームの全5得点を叩き出した。10月1日に西武がロッテに敗れてマジック1。翌2日は試合がなく、西武が黒星を喫したことで3年ぶり6度目のリーグ優勝を決めた。札幌ドームのスタンドは無料開放され、1万5608人のファンの前で栗山監督が宙を舞った。