◇ア・リーグ ヤンキース11―5レイズ(2016年9月21日 セントピターズバーグ)

 メジャー自己最多の14勝目を挙げたヤンキース・田中に笑顔はなかった。レイズ戦は2回まで大量7点の援護を受けながら、3回に3者連続を含む人生初の1イニング4本塁打を浴びた。

 「ちょっと大げさかもしれないけど、気づいたら3者連続で打たれていた。スポットみたいなのに入っていた感覚」。試合後、独特の表現で振り返った。

 「スポットに入る」とは何を投げても、相手のゾーンに吸い込まれていく感覚か。先頭の9番・ウィルソンには外角高めのカットボールを左中間に運ばれた。2死後、3番・ロンゴリアに低めのスライダーを左翼席に放り込まれると、ミラーにはバックドアの外角スライダーを右翼席へ、さらにディカーソンにはスプリットを中堅に。「これだけ打たれたのは初めて」と首をかしげた。

 それでも、このままズルズルいかないのがエースの投球だ。気持ちは「切り替わっていなかった」と冗談めかしたが、「抜けて全部甘くなった」スライダーを減らし、速球系中心に組み立てを修正。4回以降の3イニングは2安打に抑え「何とか立て直してゼロに抑えられて良かった」。目標の200投球回にはわずか1/3足りなかったが、7回を4失点にまとめ、自己最長の7連勝をマークした。

 防御率は2・97から3・07に上がったが、リーグトップは辛うじて守った。チームは2連勝で、ワイルドカードゲーム進出圏内まで2・5ゲーム差。「悪いのがそういう(援護のある)日で良かった」と味方に感謝し、残り2試合となった登板に向けては「やらなければいけないことをやる」と力を込めた。 (東尾 洋樹)

 ≪1試合3被弾過去4度≫田中はこれまで日米通じて1試合4被弾もなかった。3被弾はメジャーでは過去4度あり、楽天時代は2被弾が最多だった。また、連続本塁打を打たれたのは14年4月22日レッドソックス戦(オルティス、ナポリ)、15年6月27日アストロズ戦(コレア、アルテューベ)に次ぐ3度目。楽天時代は09年8月14日ロッテ戦(Kスタ宮城=サブロー、大松)の1度だけ。3者連続被弾は日米通じ初となった。