◇第96回天皇杯全日本サッカー選手権大会3回戦 湘南4―0徳島 (2016年9月22日 BMWス)

 天皇杯3回戦が行われ、湘南がJ2徳島を4―0で下して公式戦11試合ぶりの勝利を飾った。リーグ戦では10連敗中で最下位。その重たい空気を払しょくするかのように勝利への口火を切ったのは、ケガから復帰したFW藤田祥史(33)だった。

 前半6分、左CKのこぼれ球を混戦の中から右足で押し込む。公式戦でのゴールは3月12日のリーグ広島戦以来約半年ぶり。両手を天に突き上げたストライカーに、イレブンは次々と駆け寄った。チャンスメークはまだ続く。同25分にはロングボールを頭で落とし、FW山田直輝(26)の追加点をアシスト。流れを引き寄せた。

 雌状の時を経て戻ってきた。以前から抱えていた左臀部(でんぶ)の痛みで、7月20日から離脱。その後左のハムストリングスから臀部にかけての負傷が判明したが、原因は今も分からない。「勝ってないし、早く戻って出たい」。焦りの中で回復を待った。

 痛みは今もある。それでも「休んでいたらシーズンが終わってしまう。点を取って助けたい」と奮起。練習前後に人より長く時間をとってマッサージや電気治療、超音波治療などを行いながら、復帰に向けて準備を進めた。

 そしてついに17日のリーグ福岡戦で約3カ月ぶりの復帰を果たすと、この日の天皇杯も2戦連続で先発。リーグ戦から先発が8人入れ替わって平均年齢が24・5歳と若返る中、最年長の33歳は中4日でピッチに立って結果を残した。「俺が点を取って勝たせて。そういうシナリオを描いている。“闘将”になれなくても、点を取ればいい」。言葉通りの活躍で、勝ちに飢えていたチームに光をもたらした。