阪神・掛布雅之2軍監督(61)が13日、兵庫県西宮市の鳴尾浜球場で新人合同自主トレを初視察。ドラフト1位・大山悠輔内野手(22=白鴎大)のスイングをチェックし「最近いない。(打撃フォームが)きれいな右打者」と独特の表現で称賛した。かつて「ミスター・タイガース」と呼ばれた偉大な4番打者は、黄金ルーキーがオンリーワンでNo.1の右打者になれるとし、自身の後継者候補として期待をかけた。

 決してリップサービスではない。初めて生でチェックした大山の印象を聞かれた掛布2軍監督の口調は、どんどん熱を帯びた。室内練習場で少しの時間、スイングを見ただけでも、その素質の高さを感じ取るには十分だった。

 「素直な打撃をしていたね。きれいなスイングでバランスが良い。まだ室内のマシン打撃だから、これからもっと力を入れて振ってこれるだろうけど、柔らかいし、遠くへ飛ばせる感じがする。今の段階とすればいいよ!本当に」

 最高気温9度で冷たい風が吹き続けた鳴尾浜球場だったが、初めて間近で見た新人に注がれた視線は、口調同様に熱い。メイングラウンドでのキャッチボールやノックを見届けた後は室内練習場に足を運び、ティー打撃やマシン打撃を約30分間、チェックした。

 現在の日本球界では、日本ハムの中田や西武・中村、ヤクルトの山田、畠山らが右の大砲として活躍中だが、掛布2軍監督の目に映った大山のスイングは、その誰とも似ていないという。

 「中田翔は強さを感じるけど(大山は)もっときれいに回るわ。今、比べるのは中田に失礼だし、大山がかわいそうだけど“きれいな右打者”という感じ。最近はいない。昔でも誰かいるかな…。まあ、誰に似てるというよりも、大山は大山でいいんじゃないかな」

 パワー全開で遠くへ飛ばすというより、バランスの良い、きれいなスイングでボールにスピンをかけて飛距離を出す。大学日本代表で4番を打った黄金ルーキーは、練習では得がたい天性の技術を持っている。掛布2軍監督は、15年のドラフト1位・高山と比較して力説した。

 「高山は対応力がすごくある左打者だったけど、大山はもうちょっと遠くへ飛ばす部分がある。右の大砲と言われるような打者だよね。でも、柔らかさもあるし、マシンで(タイミングが)ずれた時でも対応していた。(チームの)中心を打てるような打者になっていく可能性を非常に感じる」

 2軍指揮官自身は本塁打王を3度獲得し、長く猛虎の4番を務めた。たった一日で、かつての和製大砲から“お墨付き”をもらった大山のポテンシャルの高さは疑いようがない。昨年12月いっぱいで解散したアイドルグループ「SMAP」の代表曲「世界に一つだけの花」の歌詞にある「特別なオンリーワン」で、きれいなアーチの花を咲かし「No.1になれる」可能性を十分に秘めている。 (山添 晴治)