◇大相撲初場所6日目(2017年1月13日 両国国技館)

 4場所ぶり38度目の優勝を目指す横綱・白鵬(31=宮城野部屋)が結びの一番で平幕・隠岐の海(31=八角部屋)を寄り倒して全勝を守った。この日で横綱としての出場回数が歴代最多の北の湖に並ぶ818回。節目を快勝で飾った。初日から6連勝は大関・稀勢の里(30=田子ノ浦部屋)と2人になり、優勝争いは初優勝を狙う大関と一騎打ちの様相だ。

 付け入る隙を与えなかった。白鵬は鋭く当たって左を差し、前に出ながらもろ差しになると、土俵際に強い隠岐の海にまわしを与えず、ぐいぐい前進。優勝から3場所遠ざかる中、復活を印象づける圧巻の強さで寄り倒した。横綱昇進後、土俵に上がるのはこの日で818回目。それが、北の湖に並んだ特別な日とあれば、力が入るのも当然で「いつも通りと自分に言い聞かせて臨んで、いい相撲が取れました」。そう言いながら、いつもとは、ひと味違う白星に頬が緩んだ。

 思い出は11年以上前になる。幕内2場所目の04年名古屋場所。白鵬は常に北の湖の視線を感じて戦っていた。初日から千秋楽まで「わざわざ、花道まで来てくれた」と記憶する。前場所で12勝を挙げて期待されていたからか、当時理事長だった大横綱は一番一番に目を凝らした。「お世話になった」と力も入る中で11勝を挙げた。今では記録もモチベーションの一つになっているが、「まだまだですよ」と謙遜した。

 八角理事長(元横綱・北勝海)は「白鵬は素晴らしい」と褒め称え、「稽古の時も土俵に入る前に必ずよく動いている。動くのがつらい日もあるだろうが、粘り強い」とうなる。昨年秋場所を全休し、9月に右足親指の遊離軟骨除去の手術に踏み切った。その影響もあり、復帰の九州場所は「軽すぎた。その分、体が動きすぎた」と11勝にとどまった。この日は不安を一蹴する一番に「足がだいぶ良くなってきている」と復調をアピールした。

 天国から聞こえてくる北の湖さんからの声は「まだまだだよ」という。次に見据えるのは魁皇の持つ史上最多の通算1047勝。そして、その先へ。「(角界を)引っ張っていくような相撲を取っていきたい」と力強く言った。